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【詩】ノートブック

ノートを買った
ページ数が少なくて
小さめの無地のノート。

まっさらなページ と まだ固い表紙
手を離すとノートがぱたり、閉じてしまう。

これから少しずつ文字を埋めて
そっとページをめくってゆこう。

このまま机にしまい込んだら
価値はそのまま百十円。

だから毎日少しずつ
何でもない事を書き留めて
丁寧に丁寧に汚していく。

くすみやキズが模様になって
ノートの角に折れ目がついた時
それが初めて自分のものになる。

背表紙にまで文字が埋まって
書く場所がなくなって
また新しいノートの買うその日まで
僕の大事な想い出を
忘れてしまう「何でもない」を
その日の感覚、言葉のままに

僕の代わりに、覚えていておくれ。

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