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【詩】レインブーツ

黒のレインブーツを君に贈った6月。
どんな時でもまた会えるように
雨の日の君の憂鬱が晴れるように

君と初めて待ち合わせをした駅の改札
そういえばあの日も雨だったね
びしょ濡れになって
君と笑い合ったよね

あの頃の僕は 雨が好きだった
どんなに離れていても 
君といつ又会えるか 
雨空を見て 考えたりした

けれども今 雨の日は何処か寂しくなる
君と話して 君と笑った日が
まるで嘘のように
遥か昔のように感じてしまうから

君は
靴箱の隅に眠った
レインブーツを見て
まだあの日を想い出すだろうか

まだ僕を、なんて。
そんなこと考えるだけ無駄だって
分かっているのに まだ追いかけている

いつかの雨。
それは寂しい梅雨の想い出。




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