素数と家族

 素数と呼ばれる数がある。1と、それから己自身以外に約数を持たない自然数の事である。ある時わたしは、素数と家族とこじつけてみようと考えた。


 まず、最少の家族は夫婦。人数で言えば二人。つまり素数である。2は最少の素数であると同時に、素数の中で唯一の偶数である。そして夫婦は家族でありながら、(多くの場合は)唯一血のつながりを持たない関係である。

 続く素数は3。家族で言えば、夫婦の間に一人目の子が生まれた状態である。新たな世代が誕生し、その血をつないでいくための用意が出来たところである。

 次の素数は5。これは2+3であり、つまり夫婦の間に子が3人生まれた状態となる。そして子が3人というのは、人口が増加していく際の最低条件といえ、種族の繁栄に関わる大きな意味を持つ。

 このように、家族に関する重要な数字はすべて素数という分かたれない数であり、それが家族の絆の強さを暗示しているのではないだろうか。


 このような感じでこじつけたので、誰か結婚式のスピーチでぶちかましてダダ滑りしてくれないだろうかと、たまに思い出しては願うのだった。

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