そこに”alma”があるなら

 先日、4月9日をもって花沢真里乃さんがalmaを卒業し、同時にalmaの現体制が終了となる旨がアナウンスされた。その後、almaは新体制への準備期間に入るという。現時点で、復活の時期はわからない。

 almaは6名で発足したグループで、そこから米山穂香さんと飯島桃子さんが卒業して現在は4名で活動している。そして今回、花沢さんが卒業することでメンバーは3名となり、そのまま活動を継続していくのは難しいとの判断が下されたのであろう。

 個人的に、almaはメンバーひとりひとりの能力がとても高いと思っている。もちろんそれは大きなアドバンテージであるのだが、メンバー卒業時の喪失感を大きくしているようにも感じられる。

 わたしが初めてalmaのライブを観た時、メンバーは5人で、そして新メンバーのオーディションを行っている時期であった。一体どんな人が新メンバーとして選ばれるのかと思っていたオーディションは結局、合格者なしという結果に終わった。

 本気だ、と思った。そのオーディションで探していたのは人数合わせのためのメンバーではなく、almaの未来に必要なメンバーだったのだ。ライブのMCで新体制の発足をアピールしておいて、結果何も変わらなかったのだが、妥協をしなかった姿勢は好ましく、そして頼もしく思えた。

 そしてある日、飯島さんの卒業が発表された。当然それは突然で、そして卒業までに残された時間も短かった。対バンライブの会場をまるでワンマンライブのように染め上げて、飯島さんは卒業していった。

 飯島さんの卒業後しばらくは、ファンクラブアプリに投稿された4人でのライブ動画を見ないようにしていた。それは4人体制の否定などではなく、実際にライブを観るまで判断を保留しようと思っていたからだ。そして実際に4人でのライブを観たわたしは、今もライブを観に行っている。充分に魅力的なグループである点に変わりなかったからだ。

 しかし今回の発表に添えられていたメンバーからの言葉には「4人では現状維持をすることで精一杯」という文言が含まれていた。わたしが目の前のライブをただ消費していたとき、彼女たちは思い悩んでいたのだ。

 4月10日からalmaは準備期間に入り、そして新体制へと移行して戻ってくるという。不安がないとは言えない。ひょっとしたらこのまま戻ってこないのではないか、という思いが頭によぎる瞬間が無いと言い切れる強さがわたしにはない。

 そんな情けない人間の言葉が信用されないのはわかっている。それでもメンバーからの「待っていてほしい」という言葉に応えずにいられない。

「はい」と。

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