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押し花

着物は、式典に華やかさを添えます。式典こそ着る機会として、入学式や卒業式は、着物で参列しようと心に決めています。


2017年4月。息子の中学校入学式でした。

新一年生は165名。少し大きめの、真新しい制服が初々しい。全員が紺色のブレザーとグレーのスラックス。当時は男子校でした。付き添う保護者は、生徒数より多く、ほとんどの人がスーツ姿の中、着物のお母様方を数人見かけました。着席すると、黒っぽく埋め尽くされた会場の中では、春らしい明るい色の服装が目に入ってきました。特に着物は、光沢が優しく和み、厳粛さの中に華やかさと上品さをもたらしています。


濃紫の地色に季節の花、幾何柄が描かれた全体的に落ち着いた雰囲気の着物と、押し花が織り込まれた帯のコーディネートで、式典を見守りました。子ども達が立派で誇らしく、中学生になったことが実感できる時間でした。


入学式の様子は、学校側で撮影をしていました。後日、YouTubeで配信された映像を見ると、私が息子の写真を撮っている様子が映っていました。着物姿の保護者で、入学式らしさを演出しようとしたのでしょう。息子が映っていたのでいい記念になりました。

学期末の保護者会では、保護者の方との会話で、「入学式で着物を着ていませんでしたか?」と着物が会話のきっかけになることがありました。顔を覚えていなくても着物を覚えていて、話が弾むことがありました。

着物が様々なきっかけをもたらしてくれました。


入学式の思い出は、色褪せることなく残っています。次の式典も、フォーマルな装いを楽しみ、特別な機会になることを願っています。

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