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あー、無かったことにしたい、カビとシミ。着物の惨状に。心の悲鳴が止まらない。

久しぶりにタンスから着物を取り出すと、大変なことになっていました。防虫剤と除湿剤の取り換えは、間に合っておらず。加えて、タンスを置いていた部屋は、日中過ごすことのない、荷物置き部屋。湿度が高かったのです。

六~七年前、勤務先は、合併などで組織変更が頻繁にありました。人の流動が激しいせいか、仕事はこれまでで一番忙しく、四十代半ばで、体力的にもきつくなっていました。

息子の卒業式や入学式の節目には、着物で参列していました。その都度、出し入れしていましたが、全部の着物をみているわけではありません。

普段のお手入れは、主に三つ。年に一度、着物を一枚ずつ収納している「たとう紙」を取り換える。数か月から半年に一度、タンスの中の防虫剤と除湿剤を取り換える。季節の終わりに、着用した着物をクリーニングに出す。どれかが、足りていませんでした。

一番酷いのが、羽織のカビ。肩や背中の辺りに点在。小紋の着物には、小さなシミ。その他の着物は、たとう紙の和紙が変色しているくらいで、大丈夫そう。

そして、羽織には、心当たりが。購入時、予算オーバーで、防虫防水加工を抜いたのです。後悔しかありません。加工なしでも、着ることでお手入れになるのですが、袖を通すゆとりが、ありませんでした。

無理して頑張っていた仕事は、楽になりません。さらに忙しくなり、助けを求めますが、上司に相手にされません。好きな着物の、お手入れにさえ時間を割けていない生活なんて、おかしい。ようやく、退職を決意しました。

幸い、カビ取りはできました。変色したところは、色掛けして、目立たなく仕上げられました。着物と共に、私自身も、息を吹き返しました。今度こそ、着よう。

お手入れ次第で、長く付き合える着物に助けられています。今日も、着物に耳を傾けます。


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