読書感想文13

Philip Zimbardo and Nikita D.Coulomb(2017)"Man(Dis)connected",高月園子訳, "男子劣化社会"、(株)晶文社発行

 どうもアニオタアラサーです。なぜ現代の男子は恋愛をしなくなったのか?それも女性の絶対数が少ないことも関係していますが、おそらく恋愛がコスパ、タイパが悪いものだという認識と恋愛に割く時間と金がないという気持ちがあるのだと個人的に思います。
 私もゲームとアニメにかまけていたら、恋人なし歴=年齢に!🤪
 さて、この先進国をおびやかす現象を解き明かす人がアメリカにいたので、その人の本を読んでみました。

 Note のAIにこの本の紹介を頼んだところ以下のように回答してくれました。

  • モダンな男性の社会的孤立についての記事。現代のテクノロジーとソーシャルメディアの普及により、男性の人間関係やコミュニケーションスキルが希薄化している側面を取り上げる。

  • 男性の感情表現の難しさに焦点を当てた記事。男性が社会的に求められるイメージや役割に制約されたまま、自身の感情を表現することの難しさを説明し、解決策を提案する。

  • 男性の心理的健康についての記事。男性のうつ病やストレスが増加している現状について取り上げ、男性が心の健康を保つためのアプローチや支援方法を紹介する。

  • 古い男性のステレオタイプに挑戦する記事。男性が強さや無感情を求められがちな現代社会において、個々の人間性や感情表現の大切さを伝えるための記事を書く。

  • 男性の友情やコミュニティの重要性についての記事。男性が持つ友情やコミュニティの経験が、社会的な孤立やストレスを緩和するためのポジティブな影響を持つことを紹介する。

 いやあ、要約がすごくて、感激です。確かに各ポイントに上記のような情報が詰まっています。気になったらぜひ読んでみてくださいね。


 さて、私が個人的に気になったところの感想を述べていきます。

男子劣化社会の原因

第8節 船頭のいない家族(つまり父がいない)

 この著書でアメリカのミレニアル世代の44%、1960年-1970年代に生まれた世代の43%が結婚は時代遅れだと考えているとのこと。また、未婚の女性の出生率は1980年の18%から2012年の41%と上昇してきました。
そして赤ん坊の3分の2を出産する30歳未満の女性に限ると53%になるとのこと。こんなに離婚する前例がいたらそもそも結婚する必要ないですよね。
 そして、父親不在の子供はADHDの治療を受ける可能性が父親がいる子供より54%高くなり、父親不在の埋め合わせとして、ドラッグ、アルコール、ゲーム、女性をモノ扱いする事に見出すものをいるとのこと。
 そして、The Mind of Boysの著者マイケル・ガリアンさんは、「シングルマザーが思春期の息子を落ち着かせ、分別を助けるためにできることは一つもない」と主張する。
 これを読んで、シングルマザー大変だなぁと思ったことと日本の公的制度はシングルマザーには手厚いらしいので、なんと離婚してからいろんな公的制度を受けた方が、教育費等が掛からなくなるからそっちの方がいいっていう人いるよねと思い出しました。

 しかし、離婚後は何かとお得と言っても、それは元旦那に甲斐性があったらの話です。子供の養育費が払えない場合はエライコッチャになります。下記記事に離婚は大変と書いてありましたので紹介します。やはりなにかしらの男のパートナーがいることが子供の成長に良い影響があるというのが結論になっています。あと、「損する結婚、儲かる離婚」という本も結婚制度を詳しく書いてあるので、知りたい方にはおすすめです。

第9章 問題だらけの学校

 学校でもいろんなことが起こります。昨今の性教育のなさが、オンラインポルノによるポルノ教育の手軽さに負けており、絶対禁欲型の教育は若者の性行動の認識に大きな影響を与えるとのこと。そして子供が初めてポルノを見る年齢は平均11歳であると。
 性教育が十分でないと、若者は自分の身体や性についての理解が十分でなく、自己評価が低くなり、自らの性的感覚や性経験について大人にオープンについて話さなくなると。
 この性教育をしない影響は、私が思うに昨今のパパ活女子やヒモ男子の実態に似ている気がします。
 おそらく彼らの親は片親か経済的支援が必要な人が多いでしょうもしくは超放任主義か、しかし子供がなにをやっているかを理解してる人はあまりいないでしょう。
 そして性教育の弊害は、日本におけるアフターピルやコンドームの認知と使用方法の認知に大きく表れていると思います。おそらく、中学から大学までの男子学生の過半数が、グラビアやAVなどのポルノ教育で育っているはずなので、この二つの存在しか知らないのでは?というのが私の見解です。
 オーストラリア・ビクトリア州の学校だと、中3の頃に避妊具の使い方を学び、中2の頃に薬物の危険性を学びます。ついでに性教育については親が受けてない可能性もあるから、責めないであげてねという注釈もつきます。
 性教育がないと、「AVのように動いたら、相手にエッチが下手で振られた、もうセックスしたくない」や、「相手に責任とれと言われたけど経済的余裕がない、しかし子供がいるなら仕方ない。いざとなったら離婚だな」、という恋愛離れ&少子化&シングルペアレント生産機ができるよね!性教育超大事!

 

結論

 翻訳者の高月さんのあとがきコメントが腑に落ちたので、引用致します。

 世の中から、または現実の世界からあたかもコンセントを引き抜くように自らを切り離し、バーチャル世界をさまよい、または完全にそこで暮らしている若者をおそらく誰もが1人や2人知っている。…なぜ彼らは女子ではなく、男子なのだろうか。
 70年ほど前までは世界中で好む好まざるに関わらず自国のために戦地で戦っていた…4,50年前までは思想家や経済学者の唱えるイデオロギーに傾倒し、自分たちで社会を変えようと、学生運動や労働運動に身を投じていた。どうしてこんなに変わってしまったのだろうか。
 本書に取り上げられているここ数十年は、ITが想像を絶するほど、かつてないほど猛スピードで発達していった時期だ。既存社会に歪みが出てきたのは必然かもしれない。
 さらに、このITが高速に普及した時代は、くしくも女性運動が華々しく展開した直後にやってきた。…結果的に男子の活躍の場は狭まり、彼らにとって住み心地の悪い世の中となった。そこにちょうどオンラインゲームやポルノが大量に、身近に出現したのだ。…女性よりも、とりわけ男性の脳の仕組みと相性の良かったせいで、…男たちは、この世で何よりも自分を夢中かつ幸せになるものを見つけたのだ。
 …どの国の時代をとっても全く前例のない今の状況がこの先どうなるのか、本当のところは予想がつかない。けれども、それを少しでも明るいものにするためには、せめて本書の最終章で提案されているように、今いいと思えることを、今の時点でできることを、政府がメディアが、男女が、していくほかにないのではないだろうか。

p339-342訳者あとがきより

 いやーこれが全てですね。つまり今の世の中は、恋愛や結婚、異性よりも夢中かつ幸せになれるものが多いという事になります。
 私の意見からすると、政府主導の子育て支援のための補助金は、あまり子供を増やすためのイニシアチブを持だないと思います。男子たちが、子育りにとって、大前提となる恋愛や結婚に出す時間がなく、子作りの方法も間違って覚えているのですから。今までの子育て政策が間違っている事に気づいている人は多いのですが(独身研究家の荒川さんとか)、この問題の解決策のPDCAをする人たちの動きがあまり見えませんね。
 2030年までに手を打たないとやばーいと言ってる人はいるのですが、さてこの変化が激しく答えのない時代に最適解を導き出せる人がこの世にいるのかどうか疑問です。
 下に少子化対策に疑問がある方の記事を載せてみました。

 まあ、歴史上滅んだ事ない国もないですから、盛者必衰として成り行きに任せるのもアリかなぁ、教育は100年の計というので考えると2124年ってどうなってんだ?と思う今日この頃でした。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。また、次の感想文でお会いしましょう!

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