『罪と罰』人物紹介・あらすじ
『罪と罰』の台本を読むときに、「この人どんな人?」「この場面はどんな流れの中にあるの?」ということが少なからずあるので、自分の理解の刷新も兼ねて簡単な人物紹介とあらすじを書いてみたいと思います。
*途中ですが、長くなるので、公開して徐々に修正していきます。
人物紹介
ラスコーリニコフ(ロジオン・ロマーヌヴィチ・ラスコーリニコフ)
父親をはやくに亡くし、一家の希望としてペテルブルクに移って大学の法学部(超絶エリート)に学ぶが、少し前に家庭教師の仕事ともども大学も辞めてしまう。一ヶ月引きこもりながら英雄的殺人の計画を膨らませ、遂に実行に移す。事件後に母と妹の上京、ソーニャとの出会い、ポルフィーリーやスヴィドリガイロフとの対決を経て、自首をする。裁判の結果シベリア送りになり、獄中生活の中で強烈な信仰に目覚める。
若いパッションの塊。誇りと使命感と性急さが全部極端な水準でミックスしてしまってる。そして同じくらいに迷いも見える。物語全体がラスコーリニコフの心情のダイナミズムを描いていると言える。
ソーニャ(ソフィア・セミョーノヴナ・マルメラードワ)
マルメラードフの娘。実の母親はすでに亡くなっており、父と義母の子を養うために売春婦として稼いでいる。この仕事を始めたことで家族の住まいを追われ、今は一人屋根裏部屋に住んでいる。ラスコーリニコフに殺害されたリザヴェータとは知り合いだった。
並外れた信仰心と慈悲の心を持っている。ソーニャ自身の責任ではないやむにやまれぬ事情によって今の境遇に追い詰められているが、それでも神への信心が(ほとんど)揺らいでいない。また、仕事もせずに飲んだくれて金をせびる父親に罵りの言葉をかけることもなく、恵んでやる。この慈悲の心から、マルメラードフは彼女を「天使」と形容する。
スヴィドリガイロフ(アルカージイ・イワーノヴィチ・スヴィドリガイロフ)
ドゥーニャが地元で家庭教師をしていた家の主人。彼女に言い寄ったが拒絶される。つい最近妻を亡くし、その葬儀が終わったのちにドゥーニャを追うようにペテルブルクに現れる。ラスコーリニコフを通じてドゥーニャへの資金援助や接触を試みる。ソーニャの隣の部屋でラスコーリニコフの告白を盗み聞きしてから、彼自身への干渉を強める。最終的にドゥーニャ再び拒絶され、拳銃自殺を遂げる。
内面で何を考えているのか、つかみどころがない人物。ポルフィーリーと同じように、人前で演技することをやめられない「道化」のようなところがある。私の見立てだと、とにかく死というものが苦手で、自分の死を遠ざけるように色欲に身を任せている。しかし、ドゥーニャとの対決で死を恐れずに彼女を欲することができ、そのことで死への恐怖を克服したために、自殺したのではないかと思っている。
ドゥーニャ(アヴドーチャ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコワ)
ラスコーリニコフの妹。貧しいながら教養があり、美しい女性として描かれている。兄のため家族のためにルージンと結婚しようとするが、彼の正体が明らかになったことで婚約を破棄。苦しむ兄を心配しつつ、ラズミーヒンと愛情を育む。
自己の犠牲を顧みない性格と共に、兄譲りの誇り高さを併せ持つ。
プリへーリヤ(プリへーリヤ・アレクサンドロヴナ・ラスコーリニコワ)
ラスコーリニコフとドゥーニャの母。夫には先立たれている。二人の子供に強い愛情を注ぐ。ラスコーリニコフが逮捕された後は、その事実が知らされないままに衰弱して亡くなるが、おそらく事実を悟っていたと思われる。
物語の冒頭でクッソ長い手紙をラスコーリニコフに送りつけて彼を大いに悩ませる。道を踏み外しかけているドラ息子にも愛情と期待を注ぐ姿は素晴らしい親でありながら、当のドラ息子の急所を突くようでもある。
ラズミーヒン(ドミートリイ・プロコーフィチ・ラズミーヒン)
ラスコーリニコフの唯一の友人。元大学生。予審判事のポルフィーリーとは親戚関係。急に訪ねてきたラスコーリニコフに翻訳の仕事を斡旋したり、倒れ込んでいる彼のために服を揃えたりと世話を焼く。ドゥーニャに恋をしてからは、事業を興して一緒に暮らそうと提案するなど無鉄砲ぶりを発揮する。ラスコーリニコフが逮捕されたのちにドゥーニャと結婚する。
いいやつ。ラスコーリニコフの自分勝手に何度も振り回されて半ば呆れてもいるが、彼が悪人であるとはどうしても考えることができないようだ。物語の終盤、ラスコーリニコフが殺人犯であることをほとんどの人物が知るに及んでる段になっても、ラズミーヒンはラスコーリニコフを疑うのを恥ずかしいことだと思っている。
マルメラードフ(セミョーン・ザハールイチ・マルメラードフ)
飲んだくれの元官吏。せっかく恩人からもらった仕事もすっぽかして飲んでしまう。「痛飲」という言葉がこれほど似合う人物はいない。自分のダメさと悲惨さを痛感するために飲み歩いている。家族のものを売り払ったり娘のソーニャに売春をさせても飲み続ける反面、家族を愛し尊敬している。
さらに、独自の救済思想を持っている。曰く、最後の審判の日に、まずソーニャのような敬虔で献身に溢れる人物が神の赦しを受けるが、マルメラードフ自身のようなならずものも赦される。それは、彼らが「自分は赦されると思っていなかったから」だそうだ。おそらく、自分は、救済という見返りを期待して戒律を守るような不純な信者ではないということを言っているのだろう。
カテリーナ(カテリーナ・イワーノヴナ・マルメラードワ)
マルメラードフの後妻。元の夫に先立たれ、その子供を連れた未亡人だったときに彼と再婚する。プライドが高く、思い込みが激しいところがある。極貧と病に苦しみながら家を切り盛りしていたが、マルメラードフの死、自分やソーニャへの侮辱に耐えきれず発狂(?)し、亡くなる。
ポルフィーリー(ポルフィーリー・ペトローヴィチ)
30代ながら老獪な予審判事。ラスミーヒンとは親戚関係。ラスコーリニコフを心理的に追い詰めていく。
太っていて絶えずセカセカと室内を歩き回っている。また、そんな自分自身を戯画化して自虐してみたり、平凡な話題で剽軽なキャラを演じている。ただ、反面何か悟ったようなところがある。「青春」という何か現実離れした理想を追い求めるフェーズが自分にとってすでに終わっていることをとても強く意識していて、青春の若さに苦しんでいるラスコーリニコフを教え諭す。
リザヴェータ(リザヴェータ・イワーノヴナ)
アリョーナの腹違いの妹。姉にこき使われている。アリョーナが殺害された時に、偶然居合わせてしまい、ラスコーリニコフに殺害される。ソーニャとは十字架を交換する仲だった。
殺害されたときに妊娠していて、お腹の赤ん坊も死んでしまった。
ルージン(ピョートル・ペトローヴィチ・ルージン)
成金の弁護士。ラスコーリニコフの故郷の者でドゥーニャと婚約する。その裏には、教養のあって美しく貧しい女性を妻に迎えることによって自分を徳のある人物として社交界に売り込むという意図があった。これがラスコーリニコフ一家にバレて破談になった後はラスコーリニコフに強い憎しみを抱き、今度はソーニャを陥れようとするものの、失敗して姿を消す。
レベジャートニコフ(アンドレイ・セミョーノヴィチ・レベジャートニコフ)
ペテルブルクでのルージンの同居人。住まいはマルメラードフやカテリーナの部屋と同じアパート。コミューンでも共同生活や男女同権を志向する超リベラルな思想(アナーキズム?空想社会主義?)の持ち主。ソーニャとも交流があったらしい。ルージンがソーニャを陥れようとしたときには、ルージンの工作を証言してソーニャを救う。
あらすじ
台本に基本的に沿って書いてみます。あまり意味はないのですが、栗原康という日本のアナキストの文体を真似てみようと思います。それではどうぞ。
事件まで
時は19世紀も後半のある夏。ペテルブルク。ロシアってことで寒いとかもと思うけど、この年はいつになく暑く、おまけに都会特有のべったりした不快感がたまらない。徹夜明けの新宿の裏通りみたいなもんじゃないかね。
道をゆくのは元大学生のラスコーリニコフ。今度殺そうって金貸しの婆さんの家に下見だ。もう自宅からこのアリョーナって婆さんの家までの歩数も正確に分かっちゃう。恐ろしい子!
婆さんの家からの帰り、なんとなく酒屋に寄ってみる。飲み慣れないから何を頼んだものか、大将!とりあえず生!
飲んでるとなんだか汚ねえ男が寄ってくる。元役人のマルメラードフとかいうそうだ。優しい優しい娘のソーニャちゃんが身体を売って稼いだ金で飲んでるとんでもねえ飲んだくれだア。
ところがこいつ、それだけじゃない。なんだか神とか救済とかわけわかんねえことを酒場いっぱいに聞こえる声で宣ってる。最後にはみんな救われるんだよ!ジーザス・クライスト・スーパースター!
変な奴もいるもんだなあ、なんて思いながら下宿に帰ってくると、故郷の母親から手紙が届いている。長い長い。この手紙を読み切れるかどうかで『罪と罰』読破するか挫折するかが決まるんじゃないかって代物だ。俺はここで二回挫折したね。
この手紙の中身が大変だ。妹のドゥーニャが家庭教師先の主人スヴィドリガイロフにセクハラされて、さらにドゥーニャが奴さんに言い寄ったってことになって、悪い噂が広まって家庭教師もクビになる!スヴィドリガイロフこのやろう!
ところがなんやかんやでこの誤解は解けてドゥーニャの名誉も回復。そんで今度はドゥーニャの前にいい男が現れる。弁護士のルージンだ。ドゥーニャみたいな不幸な嫁さんをもらいたいってさ。「お義母さん、娘さんを僕にください。幸せにしてみせます!」
しかーし、この手紙はラスコーリニコフの逆鱗に触れちまう。このルージンとかいう奴、ただの下劣な成金じゃないか。ドゥーニャも家族のために自分を犠牲にしようとしてるな!そんなことは卑劣だ!許せん!
そんでもって妹とお母さん、さらにはルージンは故郷の田舎からこのペテルブルクに出てくるらしい。まじかよ、近いうちに会うことになっちまうよ!
老婆殺害!
そんなこんなで鬱々としているうちにラスコーリニコフは殺人計画に耐えられなくなって、真面目に生きようと決意する。「神よ!私はこの呪わしい考えを放棄します!」
ところがなんの因果か、金貸しの婆さんが明日の夕方に家に一人でいるって情報を聞いてしまう。ガビーン!!!もうやるしかねえじゃねえか。ラスコーリニコフは運命の操り人形になっちまう。
次の日の夕方、運がいいのか悪いのか下宿先から斧を盗み出すことに成功し、婆さんの家に向かう。偽の質草に気を取られている隙に背後から脳天にドガッ!ほとんど機械的に何発も斧をお見舞いして殺しちまった。
そんで財布やら長持ちやら金品を漁っているとガサっと音がする。なんと、婆さんの腹違いの妹・リザヴェータが帰ってきてた!あんたいないじゃなかったのかよ!ラスコーリニコフはこの声も出せないでいるリザヴェータも斧でやっちまう。なんてこった、マーダー!
事件後〜妹と母の登場
なんとか現場から帰ってきたラスコーリニコフはもう心身の限界で寝込んでしまう。目が覚めてみると親友のラズミーヒンが来てる。寝込んでる彼を心配して色々と世話を焼いていてくれたらしい。あんた、いい奴だね!
話してたらルージンがやってきた。妹のにっくき花婿だ。なんだか最近の流行りの思想にも詳しいふうにアピールしてきてムカつく。お前、俺の妹をアクセサリーみたいに考えてるんだろ!怒鳴って追い返しちまう。
殺人のショックと自分の誇りに悩まされたラスコーリニコフは街を徘徊する。そしたらあの飲んだくれのマルメラードフが馬車に轢かれて息も絶え絶えになっている現場に出くわす。大変だ!家に運ぼう!
マルメラードフの家は掃き溜めみたいな汚いところで、肺病持ちの奥さんはヒステリーを起こしてる、子供は泣いてる。神父が来たってなんもありがたくないよ、神は死んだ!駆けつけたソーニャの腕の中でマルメラードフは息絶える。なむあみだぶつ!
実はこれがラスコーリニコフとソーニャの初対面だ。でも言葉は交わさない。ラスコーリニコフは母親からもらったお金を全部葬式代ってことで置いていく。
マルメラードフの死を目の当たりにしたラスコーリニコフは、自分が悩みながらも若いエネルギーを持って生きていることに覚醒する。泥臭く戦ってやるぞ!こんな邪悪な開眼もなかなかないよ。とがめを失った鑢七実かよ。あ、「刀語」は面白いぞ。
そんで帰ってきたら、下宿に妹と母が来てる。あ、帰り道にくっついてきたラズミーヒンも一緒だよ。ラスコーリニコフはいきなり、二人を追い返そうとする。なんでかって、妹とルージンの結婚は卑劣だからな!
次の日になって再度妹のドゥーニャ、母、ラズミーヒンがラスコーリニコフの家を訪ねても、まあ主張は変わらない。妹に「俺か、ルージンかどっちを取るかだ」と迫る。なんとか宥めすかして、ルージンとの会合にラスコーリニコフも出席することをとりつけた。ついでに、ラスミーヒンさん、あんたも来てくだせえ。そう言われてドゥーニャに惚れていたラズミーヒンは舞い上がってしまう。もう目はハートだ!とにかく、ルージンとの会合だ。ドゥーニャの明日はどっちだ?
あと、この場面の最後にソーニャがやってきて初めてラスコーリニコフと言葉を交わす。ラスコーリニコフが置いてった金で父親の葬儀ができるから、その招待に来たと。
ポルフィーリー、スヴィドリガイロフとの初対面
ソーニャとバイバイした後にラスコーリニコフとラズミーヒンは予審判事のポルフィーリーのところに赴く。ラスコーリニコフは老婆のところに預けていた質草を回収しにゃあかんのだけど、ラズミーヒンが偶然にもこの事件を担当してるポルフィーリーと親戚関係だったから紹介してもらったんだな。
ポルフィーリーは太った愉快なおっさんだ。度々冗談を飛ばしてくる。ところがその合間に時々鋭いことを言ってくる。「ラスコーリニコフさん、あなたの論文を読みましたよ。立派な犯罪論ですなあ」ぎくっ、なんでお前がそれを知ってるんだ?無名学生の論文なんか読んで内容を覚えているもんかね?疑念がラスコーリニコフの心に浮かぶ。くだんの論文はラスコーリニコフの殺人の動機の一部を描いたものだ。曰く、新時代を切り開くような非凡な人間は常識や法を踏み越えて自分の事業を行う存在なんだと。コワイコワイ。
この会合はラズミーヒンそっちのけでラスコーリニコフとポルフィーリーの腹の探り合いとなる。
ラスコーリニコフが帰って寝ていると、部屋の前になんか男が立ってこっちを伺っているのに気づく。「お前は誰だ?」「どうも、スヴィドリガイロフでございます」
はあああ?お前あれだよな、ドゥーニャの元雇用主で、セクハラ親父だよな。故郷の村にいるんじゃないのかよ、なんでここにいるんだ?そもそもお前メインキャラだったのか?名前だけ出てくる存在じゃないのか?
この男どうやら最近奥さんが亡くなったようで、その葬式を済ましてすぐにこのペテルブルクに出てきた。なんか奥さんの幽霊が見えるとかなんとか言ってる。話の一貫性がなくて会話に難儀するが、訪ねてきたわけは、ラスコーリニコフを通じてドゥーニャに妻の遺産を渡したい、自分から援助したい、会いたいとそういうことだそうだ。
当然ラスコーリニコフは拒む。なんたって相手は妹を貶めたにっくきスケベだ。恥を知れ!怒りをあらわにしてもスヴィドリガイロフは怯まない。それどころか「私とあなたには似たところがある、仲良くなれるでしょうな」とかなんとか。のらりくらりと去っていく。
なんか厄介な奴らが出てきたもんだ!
ルージン、てめえはだめだ
スヴィドリガイロフはどっかに行った。今それより大事なのは、ドゥーニャとルージンの会見だ。結局ラスコーリニコフとラズミーヒンも参加する。
二人の邪魔者がいることでルージンは機嫌が悪い。俺はドゥーニャと結婚して社交界に乗り出したいってのに、こいつら結婚を許そうとしないじゃねえかよ、というか生意気でムカつくんだよ!
結局この会見は決裂。ルージンは腹黒さを非難され、捨て台詞を吐いて帰っていく!おとといきやがれ!ラスコーリニコフ、ドゥーニャ、母親、ラズミーヒンはルージンへの怒りで団結する。あんな奴に頼らなくても私たちは生きてけるんだぞ!
このことでラズミーヒンは大喜びしてしまう。なんたって片思いの相手の婚約が破棄になったんだから!さあ、ここから俺の新しい人生が始まる、ドゥーニャさん、ラスコーリニコフ、一緒に三人で事業を興して暮らそうじゃないか!俺出版の方でいい話を持ってるんだよ!
あ、そうそう、この会見の流れでラスコーリニコフはスヴィドリガイロフがこのペテルブルクに来ていること、ドゥーニャに資金援助をしようとしていることを伝える。あいつ、何をしようとしてるんだ…?ルージンとの婚約が破談になって平穏がおとづれた彼らのもとに新たな不安が降ってくる!
ソーニャとの会話
ラスコーリニコフは今度はソーニャの部屋に行く。
あれ、マルメラードフの一家の家じゃないの?そう、彼女は娼婦になったことで一家の住むアパートから追い出されたんだ!
ラスコーリニコフの部屋に似た「棺桶」のような部屋。ここで二人は向き合う。もうラスコーリニコフの方では話題がコロッコロ変わる。
神はソーニャの信仰心に応えてくれるかとか、リザヴェータとソーニャには面識があったこととか、家族のために身を売るなんてやめちまえよとか…
ラスコーリニコフは無神論者を自称してるから、ソーニャの信仰心にイラついてしまうんだな。それでソーニャを虐めるような質問をたくさんするんだけど、不意に彼女の信仰心に感銘を受けたのか、『新約聖書』を読み上げるように求める。
ここが一つの有名な場面だね「ラザロの復活」をソーニャが読み上げるシーン。彼女の信仰心が発揮され、それがのちのちラスコーリニコフの運命を左右する影響を与えることになる。まあ、伏線だと思ってください。
ラスコーリニコフはソーニャのもとを去ります。「明日来るよ、来れたら、リザヴェータを殺した犯人を教えるよ」と言い残して。
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