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第112回「ChatGPTと一緒に」

第112回は、ChatGPTの活用方法に関するご発表でした。今回は特に、ChatGPTとExcelマクロを組み合わせることによる時短術をご紹介いただきました。

Excelマクロとは、Excel上で反復的な作業を自動化するためのプログラミングツールです。作業の時短に使えそうなのですが、プログラムを組むにはVBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語の能力が必要になります。このプログラミングのコードを書くという作業を、よき同僚であるChatGPTにお任せしようということです。したがって、私たちに必要なのは「プログラミング言語の理解」というより、「ChatGPTに適切な指示を出せる能力(=○○すれば○○になる というロジックを考えられること)」であるといえるでしょう。

上記の話を踏まえ、発表者の指導に従い、参加者はある実践を行いました。実際にExcelとChatGPT(あるいはMicrosoft Copilot)を活用し、「生徒の名列表」の作成を試みました。手順を簡単に表すと、以下の通りになります。

  1. VBAを使えるようにExcelの設定を変更し、プログラミングのコードを書く画面が開ける状態にする。

  2. 名列表を出力するためのシートと、生徒名が入力されたシート(元データ)を準備する。

  3. ChatGPTに指示を出し、名列表を出力するためのプログラミングコードを書いてもらう。

  4. コードを1.の画面に貼り付ける。

  5. シート上にマクロを実行するボタンを設置する。押すことで名列表が出力される。

鍵となるのは、手順3.において適切な指示を出せるかです。「Excelでマクロを組む手伝いをしてください。」という文に続けて、元データシートから見つけたデータを名列表シートの適切なセルに貼り付けろ、という旨の指示文を書きます。成功するコードを一発で書いてくれるとは限りません。しかし、AIは私たちとのやり取りを記憶し文脈を理解してくれるため、やり取りを数回繰り返すことでエラーの修正を促すことができます。なるべく詳細な指示文を書くことで、トライの回数を減らすことができるでしょう。

発表者の指導のもとで、参加者は名列表の出力に至る一連の作業を行いました。初心者には難しく感じられる作業でしたが、辛抱強くトライアンドエラーを続けることで、活用の幅を広げていくことができるでしょう。日常の「めんどくさいなー」をとりあえずChatGPTに投げてみることが重要なのかもしれません。以下、質疑応答での話です。

  • 試験問題の作成にChatGPTを使ったことがある。会話文の作成や、誤った選択肢の作成など。

  • 敬語や誤字・脱字のチェックに使える。

  • データをAIに預ける程度には注意しなければならない。ガイドライン等を参照することが必要。

  • 時間割作成など、学校固有の条件がある作業を任せるのは難しい。

  • GPTs(ChatGPTを独自にカスタマイズできる機能)の活用について考え中。学習指導要領の内容に関する質問に答えてくれるようなGPTsを作れたら面白そう。

参考
文部科学省「生成AIの利用について」

(参加者17名)




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