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読んだ本。七竈。雪風。

桜庭一樹 著
『少女七竈と7人の可愛そうな大人』

恐ろしく美しいかんばせの少女"七竈"と少年"雪風"が大人に変わりゆく心の動きを描いた物語。

七竈と雪風は異形の面を持つ、という点で互いを自分の片割れのように思っている。
鮮烈な美しさも、都会の雑踏に交わればすぐに風景に溶け込む。だが、人も少なければ娯楽も少ない鄙びた地方都市ではずっと鮮烈なまま。その面は好奇の目に晒される。生まれがふつうでなければ尚のこと。

そんな2人は、肩身の狭い少年少女時代を寄り添い合ってやり過ごしている。

想像してみてほしい。
この上なく美しい、そしてどこか面影の重なる少女と少年が瞳を伏せ、額を寄せ合って互いの名を唱え合うところを。

雪風。七竈。雪風。七竈。雪風。七竈…

最高か?
高校生の美少女と美少年の共依存〜!それも互いを自分の一部として認識しあってるところ〜!!
それは普通の、凡人、他人から見たら踏み込む余地のない、ただただ美しくて憧れるしかない情景であってもそこにあるのは親の代から引き継がれて生きてる限り断ち切れない柵とその齢に相応しくない諦念!
それを少女は少年に、ある言葉を唱えてもらうことで薄めて薄めて生きている!

お前がそんなに美しいのは、いんらんの母親から生まれたせいだ。

これはけして、〇〇では、ないよ。

今までの人生、互いはずっと、自分の一部。これからも、おそらく永劫に、自分の隣に。

そんな思いと、互いと訣別するまでの物語。

美少女美少年の恋愛関係ではない共依存が大好きな私には最高の一冊でした。

あと、案外、普通って最も大切なものかもしれない。
私は美少女になりたいけど。

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