自分で自分を面白いと評する女性

脱サラして飲食店(個人経営)で働いていた。
社長はガチガチの鬱病でアル中。多量の飲酒と薬との組み合わせで幻聴・幻覚の症状も有り。それが起因の八つ当たりを行う俺への依存。休日も顔を見せないと怒り狂う。まぁ顔を出しても結局怒り出すのだが。当時は彼にプレゼントされた腕時計を付けていたし、とにかくプライベートな時間は存在しなかった。
「自分の時間が無い」というのは実に恐ろしい。街路灯の無い資本主義社会の細道。「自分が無くなる」と同義。ストレスにエンジンを分捕られてストレスフルスロットル。
「貰い泣き」「貰いゲロ」があるように現代社会には「貰い鬱」が存在する(※2024年 東京オクスタンフォードマサチューセッチュウチュウ高架大学による研究発表)。だから俺は週1でメンタルクリニックに通っていた。まずはベルトコンベアに載せられて定型カウンセリング。そこから2時間待たされ30秒で終わる診察。小さな不幸には効かない大量の薬。
お金だけはしっかりくれる社長だった。だからあらゆる理不尽に耐えようとした。しかしコンベアから搬出された俺は完全にスクラップだった。

いつもニコニコしていて周りも未来も明るく照らすようなお客さんだった。社長も常連さん達も皆んな彼女のファンになった。
やがてその子は俺のことを好きだと言った。社長の半ば強引な後押しもあり交際が始まった。
彼女は1週間でその厚化粧を落とした。
甚だしい自己憐憫。例えば「かわいい」と褒められても「嫌味だ」と怒り出す。
周囲には相変わらずの愛嬌と人気。彼女はそれを利用するかのように「こんな事を言われた」「あんな仕打ちを受けた」と俺を陥れ孤立させた。

俺の一挙手一投足、全てを否定するマルトリも身体的暴力も彼等は無自覚に振回す。
俺は居場所も心も失った。
そして蒸発し煙となった俺に対し即時に捜索願が届出された。彼等はもちろん自分達が原因だなんて微塵も思っていないし、何なら俺から突然の酷い裏切りを受けた悲劇のヒーロー・ヒロインだ。俺の心配など1文字も綴られていないSNS上での捜索拡散希望文には「私かわいそう」のドデカフォント。
その執着心に操られ俺を捜し出した警察官も、社長や彼女への同情の言葉だけを残し帰っていった。

彼女は当初、意気揚々と「私みたいな面白い女と別れたら後悔するよ」と胸を張ったが、常に自分が中傷されているか、周囲の愚痴を聞かされているか、借金で首が回らないというから金を貸してるのに「アレも欲しい、コレも欲しい、もっと欲しい、もっともっと… 」と物欲編ブルーハーツを聴かされているかの状況を1ミクロンも面白いと感じたことはないし、離れたことを1ヨクトメートルも後悔していないし、お願いだから2度と俺の人生劇場に登場しないでほしい。

P.S.
今回は「自分で自分を面白いと評する女性に近づいてはいけないよ」という僕の経験談でした。1ゼプトメートルでも「面白い」「可哀想」「お前が最低だろ」「このゴミ記事が」「○ね」等と感じて頂けたら何卒この無職にサポートを宜しくお願いいたします。

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