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当方128の『ちょっとだけやらかした話』

 おはようございます、当方128です。
 みょー様の第四回『 #ちょっとだけコンテスト 』に参加させていただきます。

 過去2回のエントリー時はエッセイ調で書きましたが、今は小説企画も定期的にしていただけるようなので、文章表現のスキルはそちらに全振りして、こちらの企画はストレートな表現を多めにしていくことにしました。


『コンビニ事件簿』

 で、毎回コンビニの話をするのもワンパターンなので、今回で最後にします。『コンビニ三部作 完結編』です。1つに絞れないので複数書きます。
 最大のやらかしは「賞与支給日の数日前に社長に退職願を提出したら賞与をカットされた」ことですが、引くほど壮絶な話なので割愛します。最終的には労働基準監督署にまで行った楽しい思い出です。


1.ホットスナック入れ忘れ事件

 お客様に注文された、ホットケースに入っているチキンやフランクを、私は何度も入れ忘れてクレームになりました。クレームの電話が来たら、その家に商品を届けに行かなければなりません。大体は近所ですが、30分ほど自転車を漕いで伺ったこともあります。冷めます。


2.チケット渡し忘れ事件

 同じ「忘れもの系」でも価格も規模も段違いの「チケットの渡し忘れ」。今は電子チケットが主流ですが、つい数年前まではコンビニで発券するのが当たり前でした。バウチャープリンターからA4の用紙が印刷され、そのうち店舗控えだけ切り取って残りはすべてお客様に渡します。そのA4用紙が1枚の時もあれば2~3枚の時もあります。印刷速度が遅いポンコツプリンターなので、この2枚目、3枚目に気付かず渡し忘れるケースがあるのです。

 ある日、アルバイトスタッフが某バンドのライブチケットの2枚中1枚を渡し忘れる事件がありました。お客様もライブ前日まで気付かず、クレームを受けた時にはイープラスに問い合わせても再発券は不可能とのことで、代わりの連番チケットを転売サイトで購入し、店長の私がライブ当日に武道館まで届けに行きました。結果的に本来の座席より前列で良席になったのは怪我の功名です。チケットも交通費も私の自腹ですが。


3.お釣り渡し間違い事件

 今思い出してもゾッとします。これもアルバイトスタッフのミスなのですが、3000円のお釣りを2回重複で渡す、つまり計6000円渡してしまうミスがありました。当然、レジ金チェックで3000円の不足が出ます。過去の取引履歴をチェックし、どこで間違えたかも判明。お客様の顔も覚えています。数日後にそのお客様が来店しました。

 さて問題です。お客様に声をかけて3000円を返してもらうべきか、何もせず諦めるか。


 正解は『諦める』です。3000円程度の損失は大したことありません。それよりも、こちらからお客様に声をかけるほうがトラブルになるリスクが高いです。で、実際スタッフが声をかけたらとんでもないトラブルになりました。

「3000円返せってどういうことよ!? 多く返したならその場で言ってくれれば良いじゃないの? 何日も経ってから言われても覚えているわけないじゃない!」

 バックヤードの事務所で私はお客様の怒りを1時間半聞き続け、ひたすら謝罪し続けました。ドライアイスの私もこの時は流石に涙が出ました。


4.廃棄物横領事件

 ホットスナックや中華まんはホットケースに入れてから3~6時間で廃棄しなければなりません。おにぎりや弁当も賞味期限の2時間前には撤去する厳しいルールがあります。パンは期限の1日前、牛乳やヨーグルトは5日前にはゴミ箱行き。しかもスーパーと違い値引すら出来ない。ハッキリ言って厳しすぎます。こんなことやっていたら廃棄だけで赤字です。

 SDGsに反しますが、廃棄物は容赦なく捨てます。食べたら横領行為になり重罪です。ごく稀に社長が良心で「食べても良いよ」と許可してくれるところもありますが、本当に稀です。
 しかし、廃棄物を食べてしまう夜勤の男性アルバイトスタッフが居ました。何度注意しても、防犯カメラをチェックすると休憩中に食べてしまう。夜勤はワンオペなのでやりたい放題です。

 私はローソンのエクレア、セブンのドーナツ、お菓子メーカーの新作など、自信を持ってオススメ出来るものを買って、そのアルバイトに食べてもらいました。

「友達に、美味しいラーメンを食べに車で高速飛ばして東北まで行く奴がいます。私はそこまでグルメではないけど、せめてコンビニでは美味しいものにこだわって買うようにしています。もう大人になるんだから、廃棄になるような品質のものを食べて満足してはいけないと思います。どうか美味しいものを食べて笑顔になる大人になって欲しい」

 この程度の説得で廃棄を食べるのをやめてくれるとは思えませんでしたが、実際やめてはくれませんでした。最終的に彼は真面目なスタッフと大喧嘩になりそのまま逆ギレ退職しました。


5.風邪でも休めない事件

 前述の通りコンビニは廃棄だけで赤字になるので、せめて人件費を最小限に抑えています。夜勤が1人だったのもその為です。私は在籍していた5年半の間に一度だけ風邪を引きました。でも人員に余裕が無いので代わりは居ません。店長だったので尚更です。体に鞭打って出勤しました。歩くことも、立っていることさえも辛く、こまめに水分補給し、ウォークイン(飲料バックヤード)に何度も逃げ込み冷気を浴びて耐えしのぎました。

 今はコロナもあるので、風邪で出勤したほうが逆に迷惑になります。良い子は絶対に真似しないでね!


6.おわりに

『コンビニTHE FINAL』なので悔いの残らぬよう書き尽くしましたが、最後にもう一つだけ書かせて下さい。
 コロナ禍になる前は「700円買ったらくじを引ける」みたいなキャンペーンをどのチェーン店もやっていたじゃないですか。実はあれ、ルールが超難解で店側は細心の注意を払ってやっていました。既に上記のいくつものやらかしで神経がすり減りすぎて無くなっていた私は、これ以上やらかしが起きないようにするにはどうすれば良いかを考え、こんなものを作りました。

 長いけど全て大事なことです。ここまで丁寧に書いたものを読んでもらい、読了のサインまで徹底した結果、くじイベントは大きなやらかしも無く無事に終わりました。

 これはオススメできませんが、仕事には「人間を馬鹿だと思って説明する」という禁断技があります。常識的な話も省略せず、どんな人にも伝わるような丁寧な説明をすればミスはグッと減ります。ただ、長すぎると読んでくれなくなる恐れもあるので難しいですが。

 以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

#ちょっとだけコンテスト


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