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【TDR再開】ファンタズミック!が愛され続けた理由

 7月1日に東京ディズニーリゾートが営業を再開したが、『ファンタズミック!』のショーは今春終了し、もう二度と観ることは出来ない。

 私のTDR歴はランドが中学の修学旅行で1回、シーは昨夏に1回、計2回のみである。その1回限りのシーにて『ファンタズミック!』を観劇した時の感動と興奮は今でも忘れられない。

 流石に2回ではTDRのことを知らなすぎ、説得力が無いと思うのならブラウザバックしていただいて構わない。逆にTDRとは無縁に生きてきた一般人がキャラクター補正や贔屓など一切無しで客観的に見ても完成度の高いエンターテインメントであったと言わせて欲しい。

 恐ろしく今更ではあるが、改めて9年もの間、何が大衆を魅了し続けたのか、個人的な考察を書いてみる。

1.舞台の壮大さ

『ファンタズミック!』は、シーの「メディテレーニアンハーバー」の海上を全面的に使用している。つまり、使用できる舞台があまりにも広すぎるのだ。これだけでも8200円という決して安くない入園料を払ってまでシーを訪れる理由となりうる。ここまで広大な舞台は少なくとも日本では他に知らないからだ。

 その広さ故に、観劇する位置によって見え方が大きく異なる。よって、数多の観客一人一人に与える印象にも微妙な差異が生じる。繰り返し観に行ったとしても、2回目や3回目で同じ見え方をすることは無い。これがリピーターの多い理由にもなっている。

2.夜を活かした演出

 このショーは20時過ぎに行う点においてもポイントが高い。20分もの間、広大な舞台を盛大にライトアップし、花火や水をこれでもかと多用する演出は、それだけでもクオリティーの高さが窺える。

 特に水に対する拘りは半端ない。噴水やウォータースクリーンに映像を映し出す技術はそれだけでも一見の価値がある。

3.形容を具現化することで凄さを再認識

 朝から訪れている人にとっては、日中にアトラクションやフードメニューを存分に堪能し、ハードルが上がりまくった状態で夜を迎え、このショーを観るわけだが、そのハードルを余裕で超えてくる迫力のパフォーマンスがそこにある。

 魔法使いの弟子であるミッキーが夢の中で光と水を操るという設定の下、物語は進行する。前述の演出は全てミッキーの魔法によるものなのだ。そもそも「夢の国」「魔法にかけられたように楽しい」と形容されるTDRだが、それを文字通り可視化、具現化したショーが『ファンタズミック!』であり、ラストに観ることで日中の思い出も脳内に蘇り、「私は1日中、夢の国で魔法をかけられていた」という事実を再認識させられる。

4.独特の余韻

 ショーが終わると、それ自体に感動し、楽しかった1日を振り返り、これから現実世界に戻らなければならないと切なく思う。この3つが同時に訪れる余韻はシーでないと味わえない独特のものだった。


 以上が私の考える魅力だが、あえて内容にはほとんど触れていない。内容が気になる方はYouTubeで全編の動画を探してご覧いただきたい。それでも現地で観る感動には到底敵わない、それが『ファンタズミック!』だった。公演終了を嘆くと共に、私は1回限りでも観に行けて良かったと心から思う。


 最後に少し脱線するが、コロナ禍でエンタメの再起が見えない今、こうなる前にあれを観れば良かった、これをしておけば良かったと、何度も後悔しているのは私だけではないと思う。私も含め、この悔しさを忘れないで欲しい。一度きりの人生を後悔せず全うするにはどうすべきか、根本から見直す必要があるのかもしれない。

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