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連続小説 第二話 反省会

 おはようございます、当方128です。
 昨日投稿しました連続小説『SNS監視委員会』第二話について反省します。

1.またしても5000字超

 やはり長い。第一話に続き、今回も5000字を超えてしまいました。にも拘わらず、伝えたいことを全部は書ききれていないんですよね。長くなってしまった故、意図的に色々カットしています。

 カットの最たる例として、第一話で登場した“手紙”を、第二話でも最後に登場させる予定でした。赤羽利の元友達3人の誰かからの手紙です。第一話の手紙はネガティブな意味で使われましたが、今回は逆に“救い”の役割として使うつもりでいました。それを丸々削ってしまったので救いが足りないように見えてしまいます。ただ一応、3人で投票した結果「グループ除名」は2票のみで、一人だけ赤羽利と友達関係を続ける意思があったことは作中で明示していますので、それだけでも微かな救いになっているのではないかと思い、手紙を無しにして文字数削減しました。

 しかし、当初の構想では「毎回手紙を登場させる」方向で考えていたので、それについては頓挫してしまいました。こうなった以上は第三話以降も手紙を出すつもりはありません。じゃあ第一話も要らなかったじゃんと今では思います。第一話は色々失敗でした。第二話も失敗ですが。

2.状況描写の少なさと、会話文の多用というアンバランス

 小説の文体としては、黒歴史時代(6年以上前)の私の悪い癖がそのまま出てしまっています。主な特徴として状況描写(情景描写)が異常に少ないこと、会話文が異常に多すぎることの2点です。両者のアンバランスが自分でも気になります。どうしても5000字以下に出来ないのであれば、せめて状況描写を増やし、会話文は逆に減らすほうがまだマシになるはずです。それが出来なかった原因を考えてみます。

2-1.SNSで状況説明をしたかった

 まず本作は『SNS監視委員会』ということで、SNSの書き込みの引用は多用したい想いがありました。特に第二話はブログという長文型のSNSになるので、それだけで文字数をどんどん消費してしまいます。そこで、文字数削減の意味も込めてブログ内に状況描写を内包させています。よって地の文での状況描写は必然的に少なくなります。

2-2.後半のレスバを見所にしたかった

 第一話も第二話も後半で、各話の主人公と山辺がレスバ(≒口論)しています。このレスバをあえて会話文だけにしたい、かつ長めに描写したいというこだわりは当初の構想からありました。赤羽利のずっと我慢していた本心が最後に溢れて逆ギレ状態になり、そこに山辺の説教がぶつかるという構図にするためのレスバなので、後半の見所としてはギリギリ形になっていたのではないかと思います。細かい部分で粗が目立ちますが。

 しかし、実際は前半も会話文が多めになってしまっているわけです。それはもう言い訳出来ません。私の力不足です。

2-3.魂の叫びをそのまま書いている

 本作は私の実体験も含まれており、思い入れがかなり強いので、自分の魂の叫びをそのまま文字に起こしているようなものです。故にアンバランス感はどうしても出てしまいます。

2-4.そもそも状況描写が大の苦手

 色々書きましたけど結局私は状況描写(情景描写)が苦手なんです。一向に上手くなりません。感受性が足りないのでしょうね。

3.「委員会が物語を俯瞰する」という図式

 第二話では新たな試みをしてみました。第二話を簡潔に言うと「赤羽利が友達を失う話」なわけですが、それに関する出来事の直接的な描写は一切ありません。縁を切られる場面はブログで語られ、赤羽利が場の空気を読めない様子は寺武の台詞で説明するのみ、最後の話し合いも地の文とはいえ僅か78文字とダイジェスト形式でまとめられてしまっています(というか地の文でありながら事実上、赤羽利の台詞でもあります)。

 第一話と異なり、SNS監視委員会は事の顛末を文字通り“監視”していただけです。これにも狙いがあり、学校で起きている問題を「第三者が客観的に見る」という視点が欲しかったのです。それがラストの山辺の説教に繋がります。それは学校でも保護者でも無く「第三者の意見」として言っているのです。

 とどのつまり第二話は「赤羽利が友達を失う話」と言うよりは「委員会が『赤羽利が友達を失う話』を俯瞰する話」と表現したほうが適切だと思います。加えて読者様にも俯瞰して欲しかったという思いもあります。俯瞰することで変に感情移入をせず、この問題について冷静かつ客観的な意見を持てるかもしれない。それが正しいか否かは置いておき、それを一度やってみたかった。

 ここまでを踏まえると、委員会による防犯カメラ映像など数々のハッキング行為も、メタ的には俯瞰の図式を作る為にやむを得ないとも言えます。こじつけだと思うでしょ? こじつけです。

4.第三話はテイストを変えます

 最後に次回について。第二話の最後に名須谷先生が不自然に登場したので、第三話は彼女をフィーチャーするかのようにも思えてしまいますが、それは第四話で取り上げる予定です。本作のテーマは『生きづらい人』ですので、第四話は「生きづらい教師の話」になります。

 では次回、第三話では如何なる「生きづらい人」が登場するのか。こればかりは完全シークレットです。ただ一つ言えるのは「これまでとテイストが異なる」ということ。第三話も“新しいこと”に挑戦しますが、悲哀感は薄めになるよう努めますので、前2話が辛くて読めなかったという方も、第三話は試しに読んでいただけると嬉しいです。

 もっと言うと、第三話は100%フィクションになります。第一話、第二話は私の中学時代の実体験が基になっており、第四話も中学時代の女性教師をモデルにしますが、第三話は完全なる創作です。なるべく来週までの完成を目指しますので、よろしくお願いいたします。


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