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【3/18~3/24の週記】変な家(※酷評注意)カラマーゾフの兄弟2

・今週もポンコツモードは継続中。鬱病は治ったかも、みたいな記事は書いたけど、ポンコツモード(やりたい事がなんもできない)はどっちかというと性格の問題で、昔から定期的にあることなので……。

・映画変な家、観ました。

・原作既読。さすがにYoutubeでバズった作品だけあって、客層が若い! けっこう席も埋まってたし、中高生の姿が目立った。

・原作はどちらかというとミステリなんだけど、映画はホラーになってるよ……という噂だったので、ビクビクしながら観に行った。昔はホラーって全然平気だったんだけど、最強超怖本物ホラーである「ヘレディタリー 継承」を劇場で観たのがトラウマになってそれ以来ジャンルごと敬遠していたのだ。結果としてはまあヘレディタリーみたいなガチホラーがそうそうあるわけでもなく、なんちゃってホラーだったので平気だった。

・まあみんな言ってることだけど、原作は安楽椅子探偵ものというか、終わった事件について間取り図をもとに推理していくだけの話だけど、映画では現在進行形で「変な家」そのものに主人公たちが突入していく、という形に変更されている。そこの変換にかかわる歪みが各所に見られる……というか、「歪み」どころではない明らかな矛盾まで生じてしまっているので、プロットとしてはほとんど破綻している。

・そこに無理くりホラー要素を足して勢いで乗り切った、という印象だった。最後の方なんか強引すぎて普通に笑っちゃったな。バイオみたいにお面つけた村人が押し寄せてきたり(木造建築に松明持って入るな笑)、なぜかババアがチェーンソー持ち出して追っかけてきたり。怖いより面白いが先行しちゃった。ホラーとギャグってわりと紙一重なところがある。

・さて、おかしなところを一つ一つ取り上げていくとキリがないので一つだけこれだけは言わせて欲しいんだけど、致命的な矛盾をひとつ。雨宮とゆずきが変な家に不法侵入をかました後、逃げ出した雨宮が話しかけた近所の人がゆずきを見て「あれ? あの人……」って言うんだけど、映画のプロットだと近所の人がゆずき知ってるわけないんだよな!?

・カラマーゾフの兄弟 2巻目

第2部あらすじ
修道院にはゾシマ長老に属さない精進行者フェラポント神父が超人的な生活を営んでおり、ゾシマ長老が予言じみた奇跡を起こしたとして修道院が騒ぐ中、旅の修道僧相手に自分は聖霊の姿が見えると話す。しかし彼はそれを嬉しがるどころか、生きたまま天に連れていかんとするキリストの手を恐ろしがっている。
ゾシマ長老は死にひんしていたが、アリョーシャに彼が戻るまでは死なないと約束し、彼を必要とする人々の元へと送り出す。アリョーシャはまず実家に戻り、イワンの行先を聞いてホフラコーワ夫人の家に向かうが、道すがら石を投げられている少年イリューシャを見つける。彼を庇ったアリョーシャだが、逆に彼は敵意をむき出しにしてアリョーシャに噛みつく。実はドミートリーが先日彼の父親スネギリョフにひどい恥辱を加えており、そのために彼は石を投げられていたのだった。カテリーナからそのことを聞いたアリョーシャは、200ルーブルを見舞金に渡して欲しいとことづかる。しかしスネギリョフはその金がどんなに必要かという窮状をあかしたうえで、「自分の名誉を売ったりはしない」と金を踏みつけて返した。いきさつを話しに戻ったカテリーナはヒステリーで会える状態になく、かわりに迎えたリーズにアリョーシャはラブレターの返事をし、結婚を約束する。が、それを盗み聞きしていたらしいホフラコーワ夫人はそれに反対の様子で、半ば追い出されるようにアリョーシャは邸をあとにする。途中スメルジャコフからイワンがドミートリーを料理屋に呼び出したと聞き、今度はその料理屋に向かう。
料理屋にいたのはイワン一人だった。イワンは明日にもモスクワへ発つというが、アリョーシャに親愛を示し、自分が神などいないと発言した真意と、長い長い大審問官の物語詩を語る。それは異端審問の時代の大審問官の前に1500年ぶりに降臨したキリストに対し、民衆に自由、つまり「天のパン」を与えたことを大審問官が詰る内容だった。アリョーシャと別れ、スメルジャコフと話したイワンは彼のえもしれぬ作為を感じつつ、フョードルがチェルマニシャーに行って欲しがっているという話を聞く。じっさいその後そのことを頼まれたイワンは了承したとも思える態度で翌朝出掛けるが、結局「チェルマニシャーには行かなかった」と言伝を残してモスクワへ向かう。
一方アリョーシャは結局ドミートリーを見つけられないまま修道院に戻り、そこで最期の活力を取り戻したゾシマ長老から彼の若い兄についてや、驕って決闘を申し込んだ青年時代、その決闘の朝に突然自分の罪について気づき修道院行きを決めたこと、その後出会った男に過去の殺人を打ち明けられたことなどを語る。そして現在断絶の中にあるロシアにいずれ「偉大で素朴な一体化」が起こるに違いないというような思想を語るうちに死が訪れたのだった。

・第一部で発生した諸々の問題がまるで解決していない……。プロとコントラ(肯定と否定、もしくは賛成と反対)の両者の思想が語られる回であった。すごくあっさり言うと天のパンか地のパンか、という話なのだけれど、かなり難解だし、両者ともにロシアの民衆の断絶・孤立を埋めようとしている点については共通しているように思える。

・まだまだ物語は途中なので一旦どうでもいいことを言うと、大審問官の章でイワンが「もしあと十分、暇つぶしにおれとつき合う気があるなら、その話をしてやってもいいがね」という前置きで、たっぷり40ページ分ぐらい喋るのがちょっと面白かった。ロシア文学の登場人物の台詞長すぎ問題はここだけじゃないけど……。


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