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眠れないほど面白い『枕草子』: みやびな宮廷生活と驚くべき「闇」 (王様文庫)岡本 梨奈

・栞葉るりさんがオススメと言っていたので読んでみました。

↑言及しているのはこれの1:00:40ごろ

・たしかに古典なんもしらん星人の自分でも楽しめる良書だった。

・枕草子をくだけた文言に訳すのは橋本治の「桃尻語訳」などいろいろあるけど、本書の「超現代語訳」は本来なら翻訳の欄外に(※注1)みたいな感じで記載するだろう注釈や、訳者自身が解釈した清少納言の内心みたいなものまで含まれている。ので、読み物として面白いのはもちろんとして、解釈のし甲斐がある古典の奥深さ、みたいなことも感じられてとても良かった。

・枕草子じたいも、「春はあけぼの」みたいな現代でいう「あるある」の部分は正直現代では共感できなかったり逆に陳腐化していたりするなあと思っていたのだけれど、平安貴族との交流を描いた段はすごく面白いのだなと知った。意外とこの時代の人々、お堅いのかなと思いきや、まあ有職故実とかお堅いことはお堅いんだろうけれども、わりと男女関係なくわちゃわちゃ楽しそうにやっているのね。それこそ栞葉るりさんが喩えに出した「ぬるぽ」「ガッ」じゃないけど、にじさんじの多人数コラボみたいな雰囲気はたしかに感じたかもしれない。

・というわけで、当意即妙さをウリにしている清少納言と男性貴族たちとのやり取りがたいへん面白くございました。こういうのがもっとあるなら読んでみたいな。

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