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子持ち様

SNSで「子持ち様」という言葉を見かけて、なるほどなぁと思った。
私の職場にも、小さな子どものいるママさんがいる。
確かに、びっくりするほどよく休む。
前回の出勤からもう10日間来てないなぁ、とか、それくらい休む。
上の子が熱出して、よくなったと思ったら下の子が熱出して、今度は自分が熱出して…とか。
職場のグループメッセージに、朝、彼女から連絡が入るたびに「また休みか」と思う。多分みんな思ってるだろう。

彼女はとてもいい子で、出勤しているときはとても頑張って仕事をこなすし、得意不得意はあるけれど、よくできる子だと思う。
いつも「休んでばかりですみません…」と申し訳なさそうにしているのが、気の毒でもある。
彼女のせいではないのにね。

社長はとても理解のある人だけれど、いかんせん子持ちではないので、こんなに休むとは思わなかったと苦笑していた。
彼女に任せる仕事を、納期や〆切のないもの、または納期に余裕があるものに変え、彼女に任せていた仕事の責任者を、元の担当者に戻した。
幸い、彼女と同じ仕事のポジションに、新人さんも入ってくれた。
社長も私たちスタッフも、たまにくる派遣さんと同じくらいの期待しか、彼女には持っていない。
あてにされないということは、気楽ではあるだろうが、寂しくもあるだろう。
致し方ない。
休んだ人の分の仕事をモヤモヤしながらやるより、最初から自分の仕事の分担になっていた方が、精神衛生上いいというものだ。

私も子どもがいるが、もうだいぶ大きいので、学校から呼び出しがかかることも滅多になくなった。
自宅に義父母もいるので、お迎えを頼むこともできる。
子どもも小さく、義父母と離れて住んでいた頃には、働くなんて思いもしなかった。自分が大変なことが目に見えていたからだ。

けれど、小さな子どもを保育園に預けて働く彼女を責める気はない。
生活に困っているわけではないと言っていたが、自分のお小遣いくらい稼ぎたいだろう。
働いていなかったら保育園には預けられないし、未満児とずっと一緒に過ごさなければいけないわけで、育児ノイローゼみたいになることだってある。
とかく、子育ては大変だ。何も自分の思い通りにならないことのストレスたるや……
子どものかわいさだけでは乗り切れない。

小さな子どもを育児中の人がいる場合の、職場の振る舞いとして、私がいいなと思うことは。
①期待しない。来なくて当たり前くらいに思っておく。
②突然休まれても構わない、〆切に余裕のある仕事をしてもらう。

本人さんに期待することは、
①出勤しているときは全力で頑張る。
②〆切が先でも、できるときにできるところまではやっておく。

とはいえ、独身のスタッフが「あの人、あんなにしょっちゅう休むのに、私たちと同じ時給もらってるんでしょ?」と呟いていたこともある。
そういうふうに思われてしまうのだけは、どうしようもない。

平等なんてないのだ。
スタッフが複数いれば、能力やできる仕事に差は出る。
できる人とできない人で、給料に差をつけられないことだって多いだろう。
できるだけ、モヤモヤしない状況で働きたいものだ。


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