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「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」の感想


それは最高で最強のチームの物語

とても見応えのあるドキュメンタリー映画でした。下手な映画よりも面白かったです。WBCの試合を観てきた方にぜひお勧めします。

  1. チーム作りの天才「栗山英樹」

  2. 年齢、キャリア、言葉の壁すら乗り越え一つとなっていくチーム

  3. 選手たちの緻密な調整と壮絶な覚悟

  4. 大谷翔平

チーム作りの天才栗山英樹

 まず、最初に栗山監督はチーム作りの天才、特に選手たちの心を掴む天才だなと感じました。この映画はメンバーを招集するところから始まるのですが、招集の際、「来てもらうのに球団から招集しては気持ちが伝わらない」と言って監督自ら選手のもとを訪れていたのです。また、チームの結束を完成させるのを早めるため合流の日程にも気をかけ試合が始まる前に全員が合流するよう努めていました。その結果、最強チームを実現させたのです。合宿では最初のミーティングで「チームが日本を背負うのではなくここにいる一人一人が国を背負っています。なのでキャプテンは置きません。ベテランも若手も関係なくお互いに引っ張りあって下さい。」といいチームの結束を強めていました。それを象徴するようにダルビッシュ選手にあくまで"ベテラン"として若手に接するように頼み込むシーンがあります。試合後には選手に対してもポジティブな言葉を掛け、選手たちとのコミュニケーションも欠かさず行なっていました。彼のこうした細かな選手たちとの交流が最強チーム誕生の要素の一つであることは間違いありません。

年齢、キャリア、アクシデント、言葉の壁すら一つとなっていくチーム

 何より観ていて気持ちがよかったのは日に日にチームが団結していく過程です。合宿初日からメンバー達が年齢、キャリア関係なく各々培ってきた技術を教えあいお互いを高めあい始めます。映画ではダルビッシュ選手と佐々木選手の連携がまさにそれです。また選手だけでなくコーチ陣やスタッフの方々も積極的に交流していき、プレイヤーだけでなくそれを支える人たちも侍JAPANの一員として結束していく様子は見ているこちらにも温かい雰囲気が伝わってきたほどです。また、ヌートバー選手との交流も外せません。彼とほかの選手たちはメジャー組はともかく日本でプレイされている方々やスタッフの方々は言葉が違うのでコミュニケーションを交わすのは難しいはずです。しかし、侍ジャパンはそれでもお互いに歩みあい、言語の壁を越えてチームとしての関係を築いていきました。印象深かったのは、ヌートバー選手が自分の子と親しみやすいようにたっちゃんと呼んでほしいと合流した最初に言ったことでした。言語違うのにもかかわらず彼なりに歩み寄ろうとする姿勢にチームプレーのすばらしさを垣間見た気がしました。これは僕の考えですが、栗山監督がヌートバー選手を招集したことは野球のみならず日本のスポーツにおいて海外で育った選手がより活躍しやすくさせるのではないかと思いました。

選手たちの緻密な調整と壮絶な覚悟

 華やかな活躍の裏には選手たちの調整がありました。投手陣は相手の苦手な球種や角度を研究し、それをつく球をミリ単位で調整し、野手の選手たちは己の立ち位置をスタジアムの広さを考え、わずかな距離でも比検証して自身にとって最適なポジションを細かく設定していました。試合中でも、いつでも出られるようアップを欠かさずあらゆる局面に備えている姿が大変頼もしく見えました。また、ピックアップしたいのが村上選手と源田選手です。村上選手は、WBC始まってから不調で批判の声もありましたが、それに腐らず、活躍する周りにも左右されずメキシコ戦、決勝戦で大活躍を収めました。彼を信じた監督の判断もありますが、彼のプロ意識の高さには脱帽しました。源田選手は韓国戦で右手を負傷してしまいます。しかし、それでも彼はあきらめず、ケガにも負けないで戦い続け見事先発として活躍し続けました。彼の懸命さには涙が出そうになりました。

大谷翔平

 最後はやはりこの選手でしょう。彼はまさしく侍ジャパンのキーマンと言っていいでしょう。彼の存在がチームを引き上げていきました。まず、何といっても実力の高さ。投手としても、打者としても他の追随を許しません。その力が選手たちに火をつけました。ヒットを打っても「今のはホームランを狙えた。」と発言するなどまだまだ成長の余地を感じさせる部分が多く彼の底が知れません。精神面においても、メキシコ戦で追い詰められたとき、まずい空気が流れる中彼だけがそれを楽しむかのように「上がってきた。」の一言。この状況でそんなことが言えるのは純粋に勝負を楽しんでいるような気がして、とても勇ましく思えました。また、合流時に、積極的にチームメイトと交流することで早くも打ち解けていました。チーム戦においてのエースの役割を理解し、それをこなせるのはやはりさすがとしてか言いようがありません。それは最後の「憧れるのをやめましょう。」を聞けばわかっていただけるでしょう。あらためて彼の選手としての実力の高さが感じさせられました。

最後に

 振り返ってみると侍ジャパンの凄さが伝わる、素晴らしい映画でした。こんなチームが実在し、その活躍を生で見られたのがよりうれしくなりました。WBCの試合を見た方なら見て損はないです。最後に、世界の頂に立った侍たちに改めて称賛を!


感動をありがとう!侍ジャパン!!

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