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型式証明と米国規則

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米国の型式証明制度を中心に制度の紹介をします。EMC分野に関しては、具体的な証明に有益な情報を共有します。
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#HIRF

HIRF ENVIROMENTと航空機の機内配線に誘導される誘導ノイズ(電流)の関係

1.背景L/HIRFのような表現で、Lightningの規則要求とHIRFの規則要求をひとまとめに扱えるほどに両者の規則要求には類似性があります。実際の証明を横において規則要求同士を単純に比べるとHIRFの方が敷居が高いものとなっていますが、その理由として、HIRFの規則2X.1317系には、Appendixの参照があるからだと考えています。過去記事でも言及してきたように、証明の入り口に立つために

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機内でのPortable Electronic Deviceの使用に関する米国規則

1.背景航空機の機内において乗客が使用する携帯電子端末(PED, Personal Electric Device)は、その端末から発せられる意図的な、或いは非意図的(スプリアス放射)な電波(電磁波)は、航空機の航法、通信システムに代表される電子機器への干渉要因となることが知られています。

現代の航空機のモダンな設計では、機内でのPEDの使用を前提とした設計がなされ、必要な証明も行われているので

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小型飛行機に関するL/HIRFのFAA POLICY STATEMENT,PS ACE 23-10

小型飛行機に関するL/HIRFのFAA POLICY STATEMENT,PS ACE 23-10

1.背景本投稿では、2017年に発行されたFAA PS ACE 23-10について紹介します。Policy Statement、PS ACE 23-10, HIRF/Lightning Test Levels and Compliance Methods for 14 CFR Part 23 Class I, II, and III Airplanesは、subjectのとおり小型機飛行機のTyp

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高強度放射電磁界(HIRF)の証明に関する証明フロー

1.背景過去記事で、HIRFの証明に関する概要的な投稿をいくつかしてきましたが、今後の投稿においては既存の航空機に適用されてきたHIRFの要件だけでなく小型飛行機のHIRF/Lightningに対して特別に適用されるPS(Policy Statement),
PS ACE 23-10や欧州が設定したeVTOLのspecial conditionに関するHIRF/Lightningについても取り上げ

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型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)

型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)

1.背景HIRFとはHigh Intensity Radiated FIeldの頭文字をとったもので、米国におけるHIRF規則は、強電磁界の環境下において、航空機に搭載された電気電子機器システムの機能の健全性を確保するための証明要求です。この強電磁界環境は、強い電波を発する電波塔の近傍を航空機が通過する場合などを想定したものです。このため大出力の電波塔周辺に航空機が接近すると驚異度が上がります。こ

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HIRF(高強度放射電磁界)とAC20-158Bのopen comment

HIRF(高強度放射電磁界)とAC20-158Bのopen comment

1.背景過去記事の「型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)」を記載したところで、これからもう少し具体的な適合性証明の内容について記載しようと思っていたところですが、2022年6月9日を期限としてFAAは、HIRFに関する解釈アドバイザリー、AC20-158をRevision-AからRevision-Bに改訂するためのオープンコメントを募集していることに気づきました。

今回の記事では、確定している

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DO-160 section 20、試験カテゴリの選定

DO-160 section 20、試験カテゴリの選定

1.背景今回は、DO160 section20, RADIO FREQUENCY SUSCEPTIBILITY (RADIATED AND CONDUCTED)についての概略を紹介したいと思います。

この試験は、航空機搭載機器の環境要求の一つであるHIRF耐性証明に強く関係するもので、航空機の証明である型式証明の2X.1317/23.2520/23.1308にも関係があります。この試験は、HIR

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