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型式証明と米国規則

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米国の型式証明制度を中心に制度の紹介をします。EMC分野に関しては、具体的な証明に有益な情報を共有します。
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#雷撃

小型飛行機に関するL/HIRFのFAA POLICY STATEMENT,PS ACE 23-10

小型飛行機に関するL/HIRFのFAA POLICY STATEMENT,PS ACE 23-10

1.背景本投稿では、2017年に発行されたFAA PS ACE 23-10について紹介します。Policy Statement、PS ACE 23-10, HIRF/Lightning Test Levels and Compliance Methods for 14 CFR Part 23 Class I, II, and III Airplanesは、subjectのとおり小型機飛行機のTyp

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型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)

型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)

1.背景HIRFとはHigh Intensity Radiated FIeldの頭文字をとったもので、米国におけるHIRF規則は、強電磁界の環境下において、航空機に搭載された電気電子機器システムの機能の健全性を確保するための証明要求です。この強電磁界環境は、強い電波を発する電波塔の近傍を航空機が通過する場合などを想定したものです。このため大出力の電波塔周辺に航空機が接近すると驚異度が上がります。こ

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雷撃保護設計と安全性解析

雷撃保護設計と安全性解析

1.背景本記事は、前回に投稿した「型式証明における雷撃保護設計の証明プロセス」からの続きになります。前回の記事では、雷撃保護設計の大まかな流れを紹介しましたが、今回の記事のトピックは、評価対象システムの特定の手法です。つまり、安全性解析です。米国規則2X.1316の証明を行なう上で、型式証明プログラムの初期の段階で、雷撃保護設計の証明要求が必要とされるシステムを特定する必要があることなどを前回記事

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雷撃ゾーンの定義

雷撃ゾーンの定義

1.背景過去記事で、型式証明に関する米国の証明要求に関する記事を幾つか投稿しましたが、今回の記事では航空機が被雷するゾーンについて記事にしたいと思います。

機体のどこに雷撃がヒットするかを特定することで、必要な保護設計の程度や試験要求などが決まってきますので、型式証明のプロセスの一つのステップとして、このことが必要になってきます。このステップのことをAircraft Lightning Zoni

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