助手席の異世界転生【毎週ショートショートnote】
自動車は順調に高速を飛ばしていた。
『ピッピッ』
警報音が鳴ると前方の自動車が急停止した。
『ドンッ!』
(う~ん。ここはどこだ?)
気付くと何かの乗り物の助手席に座っていた。
「目を覚まされました?」
「?」
「だいぶお疲れのようで死んだように眠っていましたよ」
「?」
なんだ、この生物は?私と同じ言葉を話している。身体の上部に球状のものがのっている。球状の下のところに穴が空いていて、開閉させながら声を発している。
その生物は私の隣に座ると乗り物を動かした。円形のものを操作して運転している。なぜ自動運転ではないのだ?なぜ飛ばないのか?
「黙ってばかりでどうされました?」
「わ、私の言葉がわかるか?」
「わかりますよ。よっぽどお疲れなんですね」
「ここはどこだ?」
「サービスエリアですよ」
「ヒェッ!?」
乗り物の横についているものを見て愕然とした。私も隣の生物と同じ姿をしていた。
「なに驚いているんです。異世界から転生でもされてきたんですか?」
(410文字)
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