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「速く」ではなく「強く」_風が強く吹いている【読書メモ】
「長距離選手に対する、一番の褒め言葉がなにかわかるか」
「速い、ですか?」
「いいや。『強い』だよ」
箱根駅伝を舞台にした三浦しをんさんの青春小説です。先日、春一番が吹いて、X(ツイッター)のトレンドに『風が強く吹いている』がランキング入りしていましたのでピックアップしてみました。
「速さだけでは、長い距離を戦いぬくことはできない。(中略)長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ。俺たちは、『強い』と称されることを誉れにして、毎日走るんだ」
タイトルの『風が強く吹いている』は登場人物が、速く、強く、走った結果として、風が強く吹いていると感じている描写だと思っています。
「強くなるには時間がかかる。終わりはないと言ってもいい。老人になってもジョギングやマラソンをするひとがいるように、長距離は一生をかけて取り組むに値する競技なんだ」
ただ単に競技に勝つだけではなく、長距離走の魅力も伝わってきます。
さて、最近、改めて問題になっている実写化についてです。本作品も映画化されていて、アマゾンプライムで見ました。あまり記憶に残っていないのですが、流石にこれは酷いなと思ったシーンがあります。
それは、箱根駅伝の中継中に強い風が吹いて原稿が飛んでしまい、アナウンサーが原稿を抑えながら「強い風が吹いています」と実況するシーンです。
ち が う だ ろーーー!
本当の強風を吹かせて、どうすんだ!
なんでそんなチープな演出をするんだ!
ちゃんと原作を読んだのか!
って、思いました。
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