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春香便り:毛呂山町立図書館の薔薇ボランティアブーケ:秋薔薇はまだ咲く:2020年11月7日


妻、春香は体調がすぐれない時でも、本が好きで、図書館通いは欠かせない。

妻が本を選んでいる間、私は図書館の庭で休憩している。

そのうち、妻が出てきて、
二人でガーデンを見学する。


「毛呂山町立図書館についたわ、
お父さんは外で待っていてね。」
「本を借りてきたわ。おまたせ。あっ、入口に薔薇が
咲いているわ。」
「あっ、フェンスの上に
赤い薔薇が。」
「アーチの下にも
黄色い薔薇が。」
「綺麗な花ね。お父さん
名前わかる?」
「ガーデンの花は難しくて
よう知らん。」
「ここには白い花が。」
「ガーデンの花は難しくて
よう知らん。」
「この花は?」
「ガーデンの花は難しくて
よう知らん。」
「あっ、黄色い薔薇。」

「向こうに休憩所が。」
「ガゼボというらしいが
好意で寄付されたものじゃ、
買えば500万するそうじゃ。」
「フ〜ン、お金はあるところ
にはあるものね。」

「何か紅白の花があるわ。」
「わしゃ知らん。」
「出口に白い薔薇が。」
「綺麗じゃな〜。」
「アーチには薔薇がないわね。」
「アーチは春のつる薔薇
だけじゃな。」
「さあ、帰らなくっちゃ。」


春香は極端な写真嫌いで、
素顔は私にしか見せない。

外出時は、何時も、帽子を被り、コロナ前からマスクをしている。

手元にある、春香の写真は
運転経歴証明書だけである。



今日も来た

図書館帰りの

ガーデンは

秋薔薇も咲き

花色様々



歌の出だしが、何だか
「岸壁の母」のようである。


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