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箱入りの本

週末、お天気がよかったので、少し遠くの、大きな本屋さんまで歩いた。
岩波文庫の棚を見ていたら、箱入りの文庫セットが、いくつも置いてある。
風と共に去りぬ、荒涼館、失われた時を求めてなどの長編小説が、美しい箱におさまっている。

「失われた時を求めて」の箱の絵が美しくて、こんなのを部屋に飾れたら…と、しばし、うっとりする。
全14巻。そうっと持ち上げようとするも、重すぎて持てない。歩いて持って帰るには重すぎる。それに、光文社の新訳を読んでいる最中ではないか。そもそも、こんな大きな箱を、どこに置くというのか。
いろいろ考えて断念する。でも素敵だなあ。

あきらめきれず、「完訳アンデルセン童話集全七冊(大畑末吉訳・岩波文庫)」を買って帰った。箱に描かれた子どもや動物の絵が、とてもかわいい。

箱入りの本は、特別だ。
子どもの頃、祖母の家に遊びに行くといつも、文学全集を読みふけった。一冊ずつ立派な箱に入っていて、すぽっと本を抜きだす、その音が好きだった。

文庫は手軽だけれど、箱から出す楽しみはないと思っていたのに、こんな形で箱になるとは。

家に帰って、早速アンデルセンの箱を飾った。
プルーストも、いつかほしいなあ。


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