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柿を積む

柿って四角いなと、今さらながら、思った。
スーパーの青果売場に、柿が見事に積み上げられているのを見たからだ。
一つ一つ敷き詰められて、規則正しく、七段くらい積んである。
大抵の果物は丸いし、やわらかいから、こうは積めない。

全然関係ないけれど、昔見かけたカニの水槽を思い出した。
富山でカニを食べたとき、お店の大きな水槽の中に、カニがいっぱいいた。
なぜか、みんな積み重なっている。
上にいるカニはいいけれど、一番下のカニは、重くないのだろうか。
心配になるほど積み重なっているけれど、一番下のカニも、割と平気そうに泡を出している。甲羅に守られているのか。
あれも七段くらいになっていたな、と懐かしく思い出す。

一番上の段の柿を、かごに入れる。
少なくなったら、お店の人が補充するだろう。上から補充していくのだろうから、一番下の柿は、いつまでも売れないままなのか。どこかで入れ替えるのか。

一番下のカニも、取りにくそうだから、食べられるのは最後かもしれない。
生き延びるために、あえて下を選んで重みに耐えているのか。それも生きる知恵だなあ。

いつのまにか、12月がせまる。
積み柿の光景が見られるのも、わずかかもしれない。



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