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【スクープ②】松本山雅、マスク着用強要の事実関係認める、コンプラ軽視浮き彫りに

サッカーJ3の松本山雅(松本市)が国やJリーグのルールを逸脱する形でマスク着用を観客の男性に強要していた事件で、松本山雅が男性に対し「対応は正しくなかった」と釈明する内容のメールを送付していたことが2日、信州デイリーニュースの取材で明らかになった。感染症対策を巡り、公益性の高い地域スポーツチームが行政や上部団体のルールを遵守せず観客対応にあたるのは極めて異例。誤った社会の風潮を助長し、コンプライアンスを軽視した松本山雅の企業体質が厳しく問われそうだ。

国やJリーグはすでに「周辺に配慮し、発声を控えればマスク未着用での観戦は可」とする方針を示している。このルールに準拠する形で、6月26日にサッカースタジアム「サンプロアルウィン」(松本市)で開催された試合において男性(37)がマスクをせず観戦していたところ、松本山雅所属の警備員が「マスクを着用しないなら退場すべきだ。これは上長の指示だ」と男性に強く迫る事案が発生した。

その後、男性の抗議をうけて松本山雅は社内調査を実施。当日対応にあたった警備員らへの聞き取り、行政やJリーグのルールの再確認などを行った。その結果、警備員の対応は遵守すべき国、県、Jリーグのルールとの整合性がとれず、不適切な措置だったと判断。松本山雅は6月30日、男性に対し「最初の段階で私共のご案内が正しいものではなかった」との釈明メールを送付し、事実上謝罪する事態となった。

男性は信州デイリーニュースの取材に対し「当方に非がないことが明らかになり、ひと区切りした形だが、警備員がたびたび口にしていた『上長の指示』という言葉が引っかかる。松本山雅は組織的に”マスク警察”を担っていたのではないか。地域の人気クラブが守るべきルールを省みず、『とりあえずマスクをしなければ』という誤った社会の雰囲気に流されていたとすれば由々しき問題だ。松本山雅は責任の重さをしっかり受け止めて欲しい」と話している。

信州デイリーニュースは県などの行政機関、松本山雅の上部団体にあたるJリーグにも本件を照会し、松本山雅のコンプライアンス体制、観戦中のマスク着用のあり方などに関し、今後も多角的に報道していく方針だ。

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