episode 6:

作者:免停ピラミッド

まじまじと見ると可愛い。とそう、ふと思った。
僕はこのガードレールにときめいた。

「バッコーン!!」
「グシャン..」
「ガタン!」

レディ・ガードは、自動車に突っ込まれた時だけ、喋ってくれる。
普段は物静かな彼女も、命が吹き込まれたように息づくのだ。

「大丈夫かい?」

「ええ、大丈夫。早くあなたと三井のショッピングパークに行きたいわ。
約束の日が近いわね。でも不安だわ..」

「あ〜、僕も。」

「当日にうまく轢いてもらえるといいけど。」

「人は押さえてあるんだ。きっと大丈さ。
あゆの痛車だからね。いいかい?きっと113k/mで突っ込んで来ると思うよ。」

「最近装備された衝撃吸収のゴムパーツ、いらなかったのに。
速ければ早いほどいいんだから。」

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