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【東京都知事】役割と歴史*東京から日本を変える。

2024年6月20日、
小池百合子都政(2016-)の2期8年の任期満了に伴う
東京都知事選挙が告知されました。

立候補者数は、
過去最多だった前回2020年の22人を
大きく上回る56人になりました。

そもそも、地方公共団体(地方自治体)には、
・意思決定を行う議会=議決機関
・議会決定に基づき事業執行する首長=執行機関
があり、

東京都の場合は、
都議会(都議会議員)
都知事
となります。

地方公共団体の選挙は、
住民の直接投票によって行われるため、

「議会」と「首長」が共に住民を代表する
【二元代表制】
になります。

ちなみに、
日本の国会議員を決める国政選挙でも
直接選挙制(国民の直接投票)ですが、

内閣総理大臣を決めるのは、
国会(議会)が選ぶ間接選挙制であり、

行政(内閣)は、
国会(議会)に対して責任を負います。
(議院内閣制)


そのため、
内閣に対しては国会内で与野党関係が生まれます。

地方議会においても
首長を支持しない議員や会派など
首長に対して与野党関係が生じることはありますが

議員内閣制の枠組みと混同して
起きている現象であり、
本来の制度的には、【二元代表制】では
議会内で与野党関係は発生しません。

地方議会と首長(知事)は、
それぞれの権限・役割が明確に区分され、

相互牽制と調和によって公正な行政を確保する
「チェック・アンド・バランス」を生かして、
住民のために政治を推進しています。

議会と首長(知事)はそれぞれ
独立した機関として対等な立場にあります。

※ただし両者の間の対立が激しくなった時は
 最終的に解決する方法として、
 議会は知事不信任決議案を提出できます。


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今回2024年に行われる
東京都知事選挙は第22回目を迎え、
投開票が行われるのは2024年7月7日です。

第1回目は戦後1947年に実施され、
都民の投票率は61.7%
安井誠一郎都政(1947-1959)が誕生しました。

過去の投票率は、
1970年代まで60%台を維持していましたが
1980年代以降は50%台を推移しています。

・過去最高は1971年70.12%
・過去最低は1987年43.19%
・前回2020年は55.0%

過去の都知事は、
小池百合子氏を含めて合計9名。

1)安井誠一郎(1947-1959)※3期12年
  1946年、幣原内閣の厚生次官。
  都知事当選後はオリンピック誘致に務めた。
  戦後復興下、
  中央政治と直結した巨大都市作りにより
  都市の過密化と公害の問題を起こした。
  退任後は、自由民主党公認の衆議院議員。

2)東龍太郎 (1959-1967)※2期8年
  医学博士としてスポーツ医学の草分け。
  日本オリンピック委員会委員長を務めた後、
  自由民主党推薦で都知事に当選。
  東京オリンピックを成功に導いた。
  退任後は、日本赤十字社社長。

3)美濃部亮吉(1967-1979)※3期12年
  経済学者。NHKのやさしい経済教室に出演。
  選挙前既にお茶の間に認知されていた。
  少子高齢化対策の財源確保を行う福祉政策
  公害対策、歩行者天国実施、都営競馬廃止。
  退任後は、日本社会党推薦の参議院議員。

4)鈴木俊一 (1979-1995)※4期16年
  1958年、岸内閣の内閣官房副長官。
  自民・公明・民社・新自由クラブ4党推薦
  都知事に当選。老人医療費無料化の廃止、
  都職員の給与引き下げなど財政を黒字化。

  都庁舎を丸ノ内から新宿に移転し
  東京国際フォーラム、江戸東京博物館、
  東京臨海副都心の開発など箱物行政で赤字。

5)青島幸男 (1995-1999)※1期4年
  放送作家、映画監督、テレビタレント、
  俳優、歌手、直木賞作家、
  1968年無所属で全国区2位当選し参議院議員。
  1995年都知事選では、
  各政党推薦で当選有力視の石原信雄を破り
  「国民の政党への不信感」を象徴する当選。
  都知事としては、財政影響の大きい
  世界都市博覧会中止以外の目立つ施策はなし

6)石原慎太郎(1999-2012)※3期12年+約1年
  1955年、一橋大学在学中に「太陽の季節』で
  第1回文學界新人賞、第34回芥川賞を受賞。
  1968年自由民主党公認で全国1位当選し、
  参議院議員。1972年無所属で衆議院議員。
  1995年議員25年表彰を受けて衆議院議員を辞職
  「日本の政治は駄目だ。東京から日本を変える」
  都知事では、ディーゼル車規制、外環凍結解除、
  五輪誘致、羽田空港の国際化などに尽力し、
  老人医療費助成や福祉手当などの直接給付から
  高齢者施設拡充、認証保育所制度の創設などの
  サービス給付に転換、銀行への外形標準課税、
  ラッピングバス(バスの全面広告)など
  公務員のコスト意識と財政再建を行なった。
  不安定な民主党政権(2009-2012)化では、
  「次の首相」候補としても注目が集まり
  2012年4期目途中で辞任し衆議院議員に復帰。

7)猪瀬直樹 (2012-2013)※1年
  文芸作家。「ミカドの肖像」「日本国の研究」
  2007年から東京都副知事。
  2012年、石原知事退任に伴い立候補し当選。
  2013年オリンピック招致を成功させたが
  その後、徳洲会グループからの不透明な
  借入金問題を追及されて任期1年で辞任。
  2022年日本維新の会公認で当選し参議院議員。

8)舛添要一 (2014-2016)※約2年
  国際政治学者。1999年東京都知事選挙落選。
  2001年自由民主党の公認で当選し参議院議員。
  2007-2009年、厚生労働大臣。
  2010年自由民主党を離党。新党改革の代表。
  2014年自由民主党推薦で都知事に当選。
  東京オリンピック施設整備費の圧縮。
  姉妹都市ソウル北京への都市外交。

  再三にわたり報じられる不適切支出や
  経費の私的利用などの呆れた行いにより
  都議会から都知事不信任決議案が提出され、
  2016リオ五輪の閉会式に出たかったのか
  知事の椅子にしがついたが、辞職願を提出。

9)小池百合子(2016-)※2期8年

※政党の公認=選挙時の政党候補者
 政党の推薦=当選後の公認候補者

地方公共団体の首長(知事)の
多選(連続当選)は禁止されていませんので
今回も小池百合子氏は立候補可能となっています。

今回2024年東京都知事選挙において
メディアでは4人の候補者を取り上げています。

・小池百合子氏
・蓮舫氏
・石丸伸二氏
・田母神俊雄氏

現職の小池百合子都政の評価が争点になります。
10人目の都知事が誕生するのか注目です。

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