見出し画像

「じぃじぃの独り言」: 日経ビジネス【残念なリスキリング】

1  はじめに

  私の頭の老化防止のため、関心があった「日経ビジネス」を定期購読してい
 ていて、自由時間は十分あるので、気になった記事を整理しました。

2  今回の特集 :   「残念なリスキリング」【成果が出ない勘違い5選】

 (1) 世界経済フォーラムは、デジタル化など産業構造の変化による技術的失業の
  リスクの大きさとそれに対応するためのリスキリングの重要性を訴え、「20
  30年までに世界で10億人をリスキリングする」ことを目標にしている。
 (2) 今年の骨太の方針での「三位一体の労働市場改革」でもリスキリングによる
  能力向上支援が盛り込まれ、政府は今後5年間で1兆円を投じて支援する。
 (3) 「リスキリング」とは、異なる職務に就くために、企業が社員に新しいスキ
  ルを習得させることである。
   ① 「アップスキリング」:  企業が社員に現職のステップアップにつながる
    スキルを習得させること。
   ② 「アウトスキリング」:  解雇の可能性がある社員に、企業が社外の就職
    に役立つスキルの習得を支援すること。
   ③ 「リカレント教育」:  仕事のスキルに限らず教養など人生を豊かにする
    学び直しを支援すること。
 (4) 本誌の有職者を対象にしたアンケート調査で、「勉強時間が短め」や「個人
  のやる気に依存」というお寒い日本企業のリスキリング事情がうかがえた。
 (5) リスキリングを社員にさせても期待した成果が出ない「5つの勘違い」を指
  摘している。
   ①「中高年がするものだ」②「DXについて学ぶものだ」③「人事部に任せ
   ればよい」④「就業時間外にするものだ」⑤「優秀な社員がいなくなる」
 (6) 現在のリスキリングの概念は、2000年代に米国で誕生したとされ、多くの
  企業が従業員にIT分野の技術分野などへのキャッチアップを促し、組織的な
  リスキリングに取り組んでいる。
 (7) リスキリングを経営課題と捉え、IBMが整備した「社員が学び続けられる仕
  組み」として、AIを活用した3つのプラットフォームを紹介している。
   ①YourCareer : 自分のスキルを可視化するためのツール
   ②YourGuiders : スキル習得に向けてアドバイスが欲しい時、メンターや
           コーチを探せるプラットフォーム
   ③YourLearning : 学習方法はすべて個人に委ねられた学習のスタート
 (8) 米IBMのような理想形には至らずとも、業務効率化や事業変革といった経営
  課題へのリスキリングで実績が出始めた日本企業の取り組みを紹介している
 (9) 日本の労働者の約7割が働く中小企業では、職種や仕事を変えるリスキリン
  グよりも業務効率化につながるアップスキリングが求められ、成功事例を紹
  介している。

3  その他の内容

 (1) 日本将棋連盟会長に就いた羽生善治氏が、本誌のインタビューに対し、①人
  間だけでは無理でも、AIが入ると解決できることはあり、AIは人間が持つ共
  通の思い込みや先入観などを排除してくれる面がある②強さでも量でも、も
  うはるかにAIが上回っているので、「なぜ棋士という職業が存在しているの
  か」に答えるのは結構難しく、棋士の個性が存在価値を高める上でも、ます
  ます重要になってくるなどと答えている。
 (2) 脳科学者が、怒りを抑制する前頭葉の働きは年齢とともに低下し、その度合
  は高齢になるほど個人差が大きくなり、怒りを鎮める方法は「収まっていく
  まで、ちょっと間を置く」ことの大切さを指摘している。
 (3) 現在の日本社会がAI革命にも完全に置いていかれている状況では、国際的な
  競争力が上がり、結果として企業価値が上がるストーリーが見えないので、
  日本株は「買い続ける」対象ではないとの米国の書籍を紹介している。
 (4) 終身雇用制度の維持が困難になり、雇用の流動化に伴い会社への忠誠心が薄
  れ、秘密漏洩事件の検挙件数が過去最高になるなど、社員の「裏切り行為」
  が後を絶たない。
 (5) 2021年の日本の漁業・養殖業の生産量は最盛期の1/3以下に減少し、大豆や
  こんにゃく粉を使って魚肉を再現する「代替シーフード」の商品が登場して
  若者の関心も高い。
 (6) 米テスラが導入した「ギガキャスト: 自動車の車体をアルミニウム合金で一
  体成型する新技術」が日本にも波及し、自動車の生産プロセスが大きく変わ
  る可能性があり、サプライチェーンに激震が走っている。
 (7) 日本人の睡眠時間は世界的にも短く、健康意識の高まりも追い風に「スリー
  プテック」による睡眠市場の競争が激化しそうである。

4  「じぃじぃの独り言」 

  私が読んだAI関連の本では米国でのAIに関わる人材の層の厚みはすごく、リ
 スキリングも早くから取り組んでいることで米国のノウハウ等の厚みもすごく
 米国の著者が指摘する「日本株は買い続ける対象ではない」との指摘や本誌が
 指摘する「残念なリスキリングの実態」は、残念ながら、やむを得ないと思う
  やはり、その背景には、日本の「失われた30年」で産業の新陳代謝が起きな
 かったことが起因し、この差を埋めるのは、なかなか難しいように思う。
     私は、「リスキリング」は「自己啓発」の一種と思っていたが、異なる職務
 に就くために必要なスキルを習得するもので、「アウトスキリング」は解雇の
 可能性がある社員が社外の就職に役立つスキルを習得するものと知って、ビジ
 ネスマンにとって厳しい内容で大変だと思った。
  また、私が読んだ本では、人間が新しい知識を吸収する能力は40歳までだと
 書いていて、若い人ならイイけれども中高年の人にとっては、より大変だと思
 った。
  IBMでは全従業員が少なくとも毎年40時間を学ぶことに使う「THINK40」
 という方針を掲げ、2022年の年間実績は86時間だった。また、IBMではリス
 キリングした社員の人事評価に業績貢献度のみならず、1年間で伸ばしたスキル
 も考慮して報酬や昇進に反映させているため学びに対するモチベーションが上
 がりやすいとのことで、日本の会社も個人に任せるだけでなく、人材育成戦略
 として取り組むことが求められると思う。
  最後に、私は運動での「体」の筋トレやnotoでの「頭」の筋トレなどで「イ
 イ目」をして健康寿命を伸ばす一方、「宝物の孫」の世話をして、働きながら
 子育てをする一人娘を私なりにサポートしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?