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父親のこと4

父親は、役所を定年の数年前に早期退職しました。
糖尿病で体が辛い、周りの人にも、大丈夫か、と言われているくらいひどかった、と言いました。
母は、定年まで働いてほしいと願いましたが、聞く耳を持ちませんでした。

そして、退職後、数年区役所の案内で嘱託職員として働いて、趣味を満喫していました。
社交ダンスの個人レッスン、囲碁でプロの棋士との指導碁など。
お金持ちの家に育ったので、お金を使うのが大好きで、退職金が入ったことで、お金を湯水のように使うようになりました。
退職金は「半分こだ」と母に言い、実際には「俺が働いて得た金だから」と半分以上を自分の方に持っていき、母は渡されたお金で家の修繕などをしてくれました。

そして、数年で、父はお金を使い果たしました。
それからは、社交ダンスの個人レッスンもプロ棋士による指導碁も受けられなくなり、老人福祉センターなど、無料で遊べるところへ行くようになりました。


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