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雑愚乱考 001:Fleetwood Macの"Rumour"~明るい曲にツライ歌詞~なぜ大ヒット?

なんとなくの流れから、またFleetwood Macを聴き返していた。どういう流れだったのかなあ? その直前にはYouTubeで見つけたプレイリストの曲を順番に聴いていた。

多分60年代末から70年代のマイナー曲を聴いている内に、ふと同時代の、あまり売れなかった時代のFleetwood Macが聴きたくなったんだと想像する。

もともとBoB Welch時代のMacに思い入れがあるので、そのあたりから聴き直していた。それからあまり聴き返していない90年代後半以降を聴いて、初期のシングルのみ曲とか別テイクを聴いて、一通り復習した後に1975年のライブ音源とか、80年代を聴き返して、そして75年の「Fleetwood Mac」と1977年の「Rumour」を聴き直した。

WikiPediaの記述を読み返しながら、当時人間関係がめちゃくちゃになりつつあるピークだった話を思い返しながら、改めて歌詞をじっくり眺めながら「Rumour」を聴き直す。ChristineとJohnの夫婦が破綻、LindseyとStevieのカップルは60年代末からの関係を解消、Mickは妻が浮気して離婚の危機、そしてMickとStevieがちょっとデキちゃったり・・・。アルバム制作時期を直撃したこのもつれは運命だったのか・・・。

もう随分昔から聞いているアルバムながら、ぼけっと聴いていれば何を言っているか分からないという外国語の音楽として聴いていると、このアルバムのA面は本当に心地よいサウンドだ。弾んで、輝いて、燦めいて、という印象が強い。なのに実はほとんどが破綻した恋愛関係にまつわる達観した愚痴みたいなものが多い。

なまじ「つらい」「苦しい」といった初期を過ぎてしまっているからか、投げやり、捨て鉢、達観、諦観とでも言えるような苦い苦い歌が並んでいる。

発売当時の大ヒットアルバムであり、今でも最も多く売れたレコードのひとつだ。歌詞を無視してサウンドで聴いていた日本とは違って、当時の英語圏の人々はどう受け止めていたのだろう? 曲とサウンドは心地よく格好よくお洒落だが、あまり気分がいいものではない歌詞が多いと思うのだが。

もしや当時から歌詞は聞き流されていた?
そこまで真剣に聴かれていなかった?

ありそうな話だ。だってピンク・フロイドの「狂気」だって大ヒットアルバムだったのだし。

ついでにBukingham Nicksのアルバムを聴き直し、Stevie Nicksのソロを聴き直し、それにしてもStevieの成功は彼女の人生にとっては相当ぎりぎりなタイミングだったんだろうなあ、と感慨深く思ったり。

今聴き直しても、流れていて気持ちのいいサウンドで、かなり好きなアルバムに間違いないのだが、それにしても歌詞を読んでいると気持ちが落ち着かない。全然ハッピーじゃない。う~ん、これと似たアルバムって、他にもありそうな気もするけれど思いつかない。あるのだろうか?

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