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時折最高:027 Matia Bazar - Ti Sento (1985) Extended Maxi Version

いつも利用しているgeniusで出てくる歌詞は肝心な部分が間違っているようなので、今回は別サイトから。ジャケは別人のアルバムのようですが、歌詞は合っていると思います。

このバージョンはどう最高なのか?

80年代に生まれたシンセポップの最高峰の一つだと確信している曲です。
12インチシングルのバージョンは、アルバムバージョンに1分22秒程のイントロが加わったものですが、付け足しというより、こちらがオリジナルでアルバムの方が短縮バージョンなのではないか?、と思うほどに完璧です。このイントロが無いと余りに物足りません。

Matia Bazar - Ti sento (1986) HD 0815007 Studio Lip Sync

上の映像はTV出演だと思いますが、音源はスタジオバージョンです。
このアルバムバージョンのイントロも、12インチバージョンのイントロが付くと一層引き立つように思います。

この曲で何度聴いても感心するのは、シンセサイザーの音色が絶妙だということです。叙情的なメロディを奏でる時、ストリングスの代わりをする時、低音部で効果音のようにビートを刻む時、そして時代の象徴とも言えるオーケストラヒット。曲に合わせて場面ごとに異なる味わいを持った、まさにこれ以外ない!、といった音色が選ばれています。

そして歌声。
密やかな狂気を感じさせるような、心を抉る高音の響き。
そして歌詞。
Ti Sento(あなたを感じる)という曲名で、ラブソングには違いありません。ただベタなラブソングではなく、どこか幻想的なイメージが散りばめられています。

Se non ha anima... (もし魂がないのなら・・・)
とか、
Ti sento (あなたを感じる)
bellissima statua sommersa (美しい水没像)
Seduti, sdraiati, impacciati! (座って、寝て、ぎこちなく)
Ti sento (あなたを感じる)
atlantide isola persa (アトランティス 失われた島)
Amanti soltanto accennati! (ほのめかすだけの恋人たち)

Mi ami o no(私を愛してる? いない?)
Mi ami o no(私を愛してる? いない?)
Mi ami?  (私を愛してる?)

英語の「Do you love me?」ですが、この部分のボーカルも鬼気迫るというか、深いというか・・・。単にヤンデレとかではなく、なんだか長い歴史を越えた、超時空的な空気を感じさせます。

別バージョン、別ボーカリストバージョン

世界的にもヒットしたので、英語版も存在します。
でも大分アレンジが異なり、イタリア語版Extended Versionには敵いません。

Matia Bazar - I feel you 'ti sento' ''Maxi Single'' (1986)

またスタジオバージョンの完成度の高さはライブ映像を見ると再認識出来ます。同じメンバーでもかなり違います。

Antonella Ruggiero - Matia Bazar " TI SENTO" LIVE ' 87

初代ボーカリストのAntonella Ruggieroは89年にグループを離れました。彼女の芸名「Matia」がグループ名に使われていたことからも、如何に彼女の存在が大きかったかが窺えます。その後グループは次々と新たなボーカリストを迎え、活動を続けています。

Antonella Ruggiero - voce, percussioni, armonica a bocca (1975-1989)
Laura Valente - voce, chitarra (1990-1998)
Silvia Mezzanotte - voce (1999-2004, 2010-2016)
Roberta Faccani - voce (2004-2010)
Silvia "Luna" Dragonieri - voce (2017-)

「Ti Sento」は彼らを代表する曲の一つなので、大体どの時期でも演奏されています。

Matia Bazar - Ti sento (Laura Valente)

Matia Bazar Ti Sento Live Moscow HD Roberta Faccani

Ti Sento - Matia Bazar Silvia Mezzanotte (2015)

聴けば聴くほど、最初のスタジオバージョン、そして12インチバージョンの完成度が実感されます。

83年 日本オリジナルのCMソング ~ 「愛のブルートレイン」

ところで、80年代の日本は景気が良かったこともあり、テレビCMに海外アーティストを採用することが結構ありました。そして誰が見つけたのか、83年という早い時期に味の素AGFのコーヒーCMで彼らの曲が使われました。しかも日本向けリリースで、当時イタリアでも未発売でした。当時のTVを見たことがある方なら、聴けば記憶が蘇るかも。

Matia Bazar (Antonella Ruggiero) Il Treno Blu - 1983

さいごに・・・

以下はMatia Bazar情報源へのリンクです。

何故か配信では、初代ボーカリストのアントネッラ時代、また2代目ローラ・ヴァレンテ時代の音源はほんの一部しかありません。過去には配信されていた時期もあるので、何か権利関係で取り下げになったのでしょう。全盛期の音源がほとんどない、という状況で大変残念です。

上記はイタリア語ですが、英語版Wikiの数倍の情報量です。英語版ではメンバーの変遷については詳しい記載がありません。

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