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時折最高:033 The Kinks - Days (1968)

歌詞

1964年にデビューしたイギリスのロックバンド。ビートルズ、ストーンズ、ザ・フーと並ぶビッグネームだが、音楽的変遷や嗜好は結構異なる。

一番有名な曲はおそらく「You Really Got Me」だろう。歪んだギターとリフは同時代のソングライターに大きな影響を与えた。

ただキンクスは初期のR&Bからあっという間に抜け出し、フォークロックやサイケポップを取り入れ、かと思えばヴォードビルやカントリーも時に取り入れ、ストーリー仕立てのロックオペラアルバムを量産したかと思えばソリッドなロックンロールに回帰したりした。

表面的なスタイルはよく変わったが、変わらなかったのはドラマ性の高い歌詞を生かした、「いい歌を作る」ことを主眼に置き続けていたことだと思う。

「Days」は別れてしまったけれど、君が与えてくれた日々を忘れることはないよ、という歌。寂しさよりも、過去の輝かしさを賞賛している歌だが、賞賛している中に悲しみが潜んでいるようなさりげなさがぐっとくる。

キンクスにはいい曲がいっぱいあって実に選曲に悩むけれど、日曜の昼間だと今日はこの曲の気分。

シングル曲で当時は売れなかった。ごく一部のベストにしか収録されていなかったが、1989年にKirsty MaCollのカバーがラジオでも流れ、この曲を知る人は増えただろう。

そう考えるとオリジナルと同年の1968年にカバーしていたPetula Clarkは凄く早い。実は彼女は「A Well Respected Man」をフランス語でカバーしたりもしていて、Pyeレーベル繋がりなのかどうか不明だが、同時代にキンクスのカバーをしていた点が気になる歌手だ。


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