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フリーランス通訳案内士のとるべき戦略とは

フリーランスの通訳案内士は、どんな戦略で仕事をしていくべきでしょうか?
 
フリーランスは個人なので交渉力は弱いし、資金力も無い。仕事が無ければ、すぐに生活が苦しくなってしまいます。そんな立場なので、ときに不当に安い報酬の案件にとびついてしまったり、下請け法に触れるような不利な条件を押し付けられたりしがちです。
 
そこで考えましょう。弱者には弱者の戦略があると。先ずはフリーランスの強みと弱みをよく自覚して、強みを生かし、弱みをカバーできるような仕事の方法を。敵を知り己を知れば百戦危うからず。
 
まずは、できるだけ客観的に、フリーランスの強みと弱みを見ていきたいと思います。


フリーランスの強みと弱みを知る

 
最初に、簡単に思いつく「弱み」の方から考えましょう。
 
まず、フリーランスには、(一般的に)お金がありません。上品に言えば、「資金力がない」ということです。ですから、大きな先行投資やリスクの大きい取り組みは、それが思うようにいかなかった場合に、たちまち事業が窮地に追い込まれてしまいます。
 
次に、一人で仕事をしているので、相手が企業の場合、どうしても立場が弱くなりがちです。あなたしかできない特殊技能を持っていれば話は別ですが、通訳ガイドだとそんなこともあまりないし、相手はあなたのことを「他に替わりはいくらでもいる」と考えているでしょう。つまり、交渉力が弱いのです。
 
一方、「強み」にはどのような点があるでしょうか。
 
企業で働いたことがある方ならわかると思いますが、組織というのはいろいろと規則があって、スピード感がありません。社内各部署の了解をとる手続きがあるため、時間がかかります。フリーランスなら自分自身で決めればいいだけですから、スピード面では圧倒的に有利です。
 
また、企業は例外を嫌います。物事をルールに従って画一的に処理していくので、例外があると余計な時間と手間とがかかり、処理が停滞するからです。一方、フリーランスは、自分が納得できさえすれば、どんなやり方をしても構いません。柔軟性において、フリーランスは企業に勝ることができます。
 
そしてこの柔軟性は、お客さん一人一人の、個性や要望に合わせた対応を可能とします。画一的な対応になりがちな企業と比較して、お客さんへ温かみのある対応ができるという点でも、フリーランスが優れていると言えるのではないでしょうか。

アジャイル・フレキシブル・パーソナル

 
以上を整理すると、フリーランスの強みは、この3点になりそうです。

  • アジャイル(敏捷性)

  • フレキシブル(柔軟性)

  • パーソナル(温かみのある)

 
通訳案内士の仕事に即して考えてみると、アジャイルというのは、お客さんの要望に迅速に対応すること。できる、できないは別にして、お客さんのために素早く動いてあげることです。それには、お客さんと直接コミュニケーションするのが一番です。いちいち旅行会社を通じて話をしたり、直接の会話を制限されていたりでは、迅速な対応は難しいでしょう。
 
フレキシブルな対応でも、同じことが言えます。どんなにガイドが柔軟に対応しようとしても、旅行会社のルールで変更ができないということはよくある話です。また、旅行会社に変更の了解を得ようとしたら、その旅行会社も発注元である本国の旅行会社の了解をとる必要があって…とかもありますね。
 
また一人一人のお客さんにパーソナルな対応をするには、最初の段階から直接対話をして、人間関係を構築しておきたいものです。そもそもパーソナルというのは、「本人がじかに接する」という意味ですから。

強みを生かし、弱みをカバーする具体的方法

 
こうして見てくると、フリーランス通訳案内士が、フリーランスとしての強みを発揮するためには、お客さんとの直接対話することが一番である、とわかってきます。良いサービスを提供しようと思ったら、お客さんと直接つながることです。
 
そして、価格競争とは距離をおきましょう。価格競争は、体力があり、数量を稼げる企業の戦略です。多数のお客さんを獲得し、それをガイドに振り分けているから、安い価格設定でも利益が出るのです。フリーランスの案内士の場合は、一日一件しか仕事ができないので、価格競争は収入の減少を招きます。
 
これで戦略が見えてきました。フリーランス通訳案内士は、自分のウェブサイト等を使って、できるだけお客さんと直接つながり、お客さん一人一人の要望を満足させる高い品質のサービスを提供し、サービスに相応しい高い価格を維持すべきです。
 
個人のお客さんと直接つながることは、お互い対等の関係なので、交渉力の点からも望ましいです。さらに、独立した全国各地のフリーランス通訳案内士が、ネットワークで繋がり連携できれば、弱みをカバーできるのではないでしょうか。これが私の目指している姿です。

まとめ

 
「フリーランス通訳案内士は、アジャイル・フレキシブル・パーソナルという優位性を生かして、お客さんと直接つながり、一人一人に合ったサービスを提供することが、望ましい戦略である。」 でした。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。今後もこうした投稿を続けていきますので、個人での集客に興味ある通訳案内士の方は、ぜひフォローして読んでいただけるとうれしいです。

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