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代金回収は全額前金が基本。個人ビジネスのリスク管理

個人で集客をしている場合に、お客さんからの代金回収は、どのようにしたら良いのでしょうか?
 
フリーランスは基本的に資本力がなく、零細ですから、回収リスクが生じるような条件は避けるべきです。回収リスクとは、いわゆる「取りっぱぐれ」のことです。ガイド業務をしたのに、報酬が得られなかった、というやつです。これは最悪です。
 
加えて、防止したいのが直前キャンセルや、当日のNo showです。機会損失になるので、ガイドにとって大きなマイナスですね。こうした事態を防ぐためには、お客さんからの支払条件は非常に重要になります。
 
この辺の考え方は、私の商社勤務時代の経験と知識が生きているところです。フリーランスで仕事をしている皆さんの、参考になればと思います。


代金回収に妥協は禁物。基本は全額前金


お客さんからの支払いを、どのようにしていますか?ありがちなのは、ガイド当日に会った時に現金で支払ってもらう、というものです。これやめましょう。
 
出来る限り、旅行当日までに全額を前金で回収することです。今や世界の旅行業は前払いが常識です。海外旅行に行く時、普通全額を旅行日までに支払いますよね?これと同様に考えましょう。
 
最低でも、半額は前金で支払ってもらっておくべきです。お客さん側に何の負担も無いと、どうしても直前のキャンセルや、当日のNo Showが起こり得ます。これを防止するためには、一部を前金として支払いを受けておき、直前キャンセルやNo Showの場合はキャンセル料に充当するルールにすることです。
 
もちろん、無理のないルールにすることや、定めたルールはきちんとウェブで公開して、問題が起きないようにすることが大切です。なお、商品が旅行業法上の旅行に当たる場合は、消費者保護の観点から、キャンセル料を自由に定められない場合があるので、注意が必要です。

前金で払ってもらうには?課題とその解決方法


では、全額前金で回収するときの課題は何でしょうか?主に2つあると思います。
 
一つは、具体的な決済手段です。ガイド料は数万円が相場ですから、これをいちいち銀行送金してもらうのは、現実的ではありません。手間やコストが大きすぎるからです。ここは、決済代行サービスを利用しましょう。
 
国際間の決済代行会社で代表的なものは、PayPalとStripeです。お客さんはクレジットカードでの支払いが可能です。これらの決済プラットホームに自分自身のアカウントを持っておけば、お客さんが支払った金額は、あなたのアカウントにすぐに計上され、そこから銀行口座に入金することも簡単にできます。
 
問題は、コストが回収額の4-5%かかるということです。ただ、これはキッパリ、コストとして割り切りましょう。今のところ、他に有効な手段は無いと思います。このコストも考慮して、自分のサービス価格を設定すれば良いのです。とはいえ正直高いと思うので、将来もっとコストの安い決済サービスが登場することを願っています。

あなた自身の信用が一番の問題


そしてもう一つの大きな問題が、あなた自身の信用です。信用とは何でしょう?
 
例として、あなたがネット上で、名前を初めて聞く、個人や小さな会社から商品を購入するとしましょう。全額前払いを要求された場合、すんなりと購入に踏み切れるでしょうか?躊躇するのではありませんか?
 
お客さんも同じです。初めて依頼するガイドから全額前金を要求されれば、「本当に大丈夫か?騙されていないか?」と、心配になるのは当然です。特に最近は、ネット上の詐欺は日常茶飯事なので、なおさらです。このハードルを越えねば受注に結び付きません。
 
そのため、普段から少しでも信用が上がるような対応が重要になります。ウェブサイト上の情報を充実させ、必要なポリシーを明示することは、基本中の基本です。また、問合せに対して迅速、正確な返事をすることも信用アップに直結します。
 
そのうえで、フェアな支払条件を設定するのが良いでしょう。初めての取引で、相手のことを全面的に信用はできない、というのはお互い様です。私は、予約時の前金は半額に設定しています。これならば、お互いフェアに感じられませんか?そして残金は、ガイド日直前に支払ってもらっています。

基本線を守りながら、柔軟な対応も必要


個人集客の場合、予約からガイド当日まで比較的長い期間があります。この間にきちんとお客さんとコミュニケーションをしていると、お客さんからの信用が高まり、残金を支払ってもらうことが容易になります。予約時に半額、ツアー直前に残り半額を支払ってもらう、という条件をお勧めします。
 
このように、基本は全額をガイド当日までに回収することです。けれどもお客さんによっては、残金はガイド当日に支払いたい、と要求する人もいます。これにどう対処したら良いでしょうか?
 
私は、要請を受け入れます。既に半額回収しているので、最悪No Showでもキャンセル料は確保できます(今までそのようなことが起きたことは一度もありませんが)。このように最低線は守られているので、柔軟に対応することで良いと考えます。
 
個人のビジネスですから、お客さんとの人間関係を大切にすべきです。大企業のような杓子定規な対応をするのは、柔軟性という、フリーランスの優位性を否定しているのと一緒です。思いやりのある対応は、必ず良い評判につながり、長い目で見て得をすることになるでしょう。

まとめ


「お客さんからの支払いは、全額前金を基本にしよう。半額を予約時に払ってもらえれば、ドタキャンの防止にもつながる。」 でした。
 
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