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巨大数論とは?

巨大数論とは、その名の通り巨大な数を研究する分野です。
本稿では、巨大数論がどんな分野なのかをざっくり紹介します。

大きな数を作りたい

例えば、「A4の紙1枚に一番大きな数を書いた人が優勝」というゲームに参加したとしましょう。
ただし「私以外の人が書いた最大の数+1」のような数はナシとします。
あなたはどんな数を書きますか?

例えば、「日本の国家予算」や「地球の面積」、「宇宙に存在する星の数」は大きいですよね。
もっと欲張れば「宇宙に存在する素粒子の数」なんて数も書けます。
あるいは「999999999999999999…」のように9を書き連ねても良いでしょう。

ここでちょっとしたワザを使ってみましょう。
掛け算は足し算を繰り返す計算ですよね?
$${3+3+3+3+3+3+3+3+3+3=3×10}$$

同様に、指数は掛け算を繰り返す計算です。
$${3×3×3×3×3×3×3×3×3×3=3^{10}}$$

では、指数を繰り返す計算を作るとどうなるでしょうか?
$${3}$$の指数を10回繰り返す計算を$${3↑↑3}$$と書くことにしましょう。
$${3^{3^{3^{3^{3^{3^{3^{3^{3^{3}}}}}}}}}=3↑↑10}$$

さらにここに大きな数を入れると…
$${10000↑↑100000=10000^{10000^{10000^{10000^{10000^{10000^{10000^{10000…}}}}}}}}$$

とんでもない大きさの数になってしまいました!
宇宙に存在する素粒子の数は$${10^{18}}$$個と言われているので、それと比べるといかに大きな数であるかが分かっていただけると思います。
この数を紙に書けば優勝できるかもしれません!

こんな具合に新しい"ワザ"を編み出して大きな数を作るのが巨大数論です。巨大数論ではこれよりももっともっと大きな数を扱うこともできます。

巨大数論とは

巨大数論は1980年代以降にインターネット上で生まれた分野です。
世界中で研究されており、英語圏では巨大数論をGoogology、巨大数論者をGoogologistと言います。
日本語でも巨大数をやっている人のことを「グーゴロジスト」と表現することがあります。

どの程度大きな数を巨大数と見なすかの基準はありませんが、1つの基準としては10の100乗(1グーゴル)より大きな数を巨大数と言います。

ただ、このような基準はほとんど意味がありません。
なぜなら、「巨大数」というのはこれよりも比べ物にならないくらい大きいからです。
おそらく、あなたが想像する如何なる数よりも遥かに、遥かに大きいでしょう。
大きな数を作るのに特化した分野なのですから、並大抵ではないのです。


巨大数のイベント

巨大数論は「大きな数をつくる」という非常にシンプルな目的を掲げていますが、掘れば掘るほど楽しめる深い世界です。

巨大数界隈では定期的に巨大数のイベントが開かれます。
なかでも国内最大の巨大数イベントである東方巨大数5が3月17日から始まります!

twitterで開催される、だれでも参加OKのお祭りです。
見るだけでもOKですし、巨大数部門も大きさ別に分かれているので、巨大数は初めての方でも気軽に参加できます。
しかも、イラストなどの創作作品を募集しています!
イラストなどでどんどん参加してみましょう!

前回の東方巨大数4では一か月にわたって開催され、28個の巨大数が投稿されました。

ぜひオリジナルの巨大数をつくったりイラストを投稿したりして、イベントに参加したりしてみてください。

次回の記事では巨大数論では何が行われているのかを紹介します。

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