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創作大賞感想 あきばさやか様「未完のものたち」

「未完成な人生」──誰もが、一度はこんな風に自分の人生を考えたことがある、と思う。自分の目に入ってくるのは、自分より輝いてる人。
そうして主人公の女性は、他の作品の批判に走るのだった。
最初にこの漫画を読んだ時、「あ、これ私だ」と思った。
とにかく、主人公のセリフに終始刺さりっぱなしでした。

なんでこうなった?

しょうがないよ 期末テスト近いし

こんな自分ダサいってわかってる

あそこで逃げなかったらなぁ

ああ、なんてこの女性は私にそっくりなんだろう。
そして、そっからのぶっとび(?)展開。
家に現れたのは、かつて「未完成」で終わらせた小説の主人公たち。仕事帰りの主人公のために、執筆のため完璧に準備してくれている!!
「言い訳するごとに一人ずつ仲間が増えていく」とか、もう面白すぎる!
そんなこんなで始まった執筆の日々。主人公が「無理」だの「面白くない」だの言い訳を重ねていくたびに増えていくキャラクターたち。
いろいろとぶっ飛んでて、なのに何かアツい。
こんな作品、今まで出会ったことないような…

完璧ではないストーリー、だけど、気分は最高──
ついに小説は「完成」したのである。
しかし、自分の物語は、まだ未完成のままだ。
自分の物語──人生を完成させるのは、小説を書くよりもずっと長くて果てしなく、そして苦しかったりもする。
でも、それは決して不幸なことではないのだ。
それがこの作品のメッセージなのではないかと、私は思っています。
ありがとうございました。


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