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ナイスカロリー!!!

この前、実家に帰ったら大量の野菜を食わされた。
というか、食わされたのは大量のキャベツだ。
数日間の間、サラダやおひたし、無限キャベツに味噌汁、メインのおかずがロールキャベツだったこともあった。

父親が、最近健康に気を使い始めたのがこのキャベツ地獄の原因らしい。

そんな!キャベツを食べると健康になると思っているの?!
それとも「赤ちゃんはキャベツ畑で生まれるのよ」的な、生命の源的なこと?
もしくは「健康の為」というのはじつは建前で、バストアップしたいとか?
『長生きしたければ、キャベツを食え!』的なタイトルの本を読んだとか?

最終日、遂に家にあるキャベツ、つまりキャベツストックを食い果たした為、スーパーへ行った。

父親が、キャベツを買いたがる。そこで父親がキャベツを食らう理由を訊いたら、いくつかの理由があると言い出した。

①ブロッコリーなどに比べると、キャベツが安いから。
②手軽に無限に食べられるから。
③葉物野菜は、野菜を食べた気になるから。

これ、つまりは③が理由ということなのではないか?


この感じ、こういう人いるよね。
ラーメン二郎の大量モヤシとビックリマンシールみたいな大きさの白菜を「野菜」と言い張っていた、ラーメン狂の鴨居くん(仮名)という人がいた。彼は、京都の大学時代の友人であり、大学近くのラーメンを食いまくっていたので、20代で高血圧だった。

人は、高カロリーの食物を目の前にすると「野菜」という免罪符を手に入れたくなる。そこで登場するのが、葉物野菜だ。ペラペラ!茹でて握り潰せばピンポン玉サイズ!でも、野菜。シャキシャキしてれば、尚よし。我々は少量の野菜で、心の免罪符を手に入れる。カロリー免罪符だ。本家のカトリック教会も呆れていることだろう。

父親は形から入るタイプの人間なので、とくにシャキシャキした葉物野菜に弱いんだと思う。

しかし頑固な性格なので、私も母も止めることなど出来ず、その日は大量のキャベツを買い、運搬した。

後日わかったことだが、実は、父親はレタスとキャベツの違いがわからないらしい。

それを知った母は、レタスだと言ってキャベツを出しては、
「レタスの方が柔らかくて好きかもしれない」
などとシャキシャキとキャベツを食う父親を見て楽しんでいたらしい。
電話口でゲラゲラ笑いながらそれを話す女、それが私の母であり、キャベツ地獄の真の犯人だ。

ちなみに、母は普通の食事の後にさらにダイエットクッキーを食べている。

人には人のカロリー免罪符。
「カロリー」という概念の理解は、我々の心の中にそれぞれにあるのかもしれない。

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