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【コロナニート】金がないので、代わりにうちの猫を、Youtubeで金の稼げる猫にしたい

表題の通りである。
コロナニートである吾輩は、とにかく金を探している。金を稼ぐ方法を探している。

そして、暇なので、ひたすらYoutubeかNetflixを観ている。努力は大の苦手なのだ。虐めないで!

そして、数多くの猫たちが10万人登録者数の壁を越え、自分のちゅーる代を自ら稼いでいるのを多数確認したのである。

私は、布団に寝転んだまま振り返った。
うちにもネコ科ネコ目ネコ科の動物が一匹いる。必死に掛け布団の中から私の足を掘り出してかじらんとするトラ猫である。


【第一章】うちの猫、金を稼げそうにない

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こちらが、家にいる猫「七瀬くん」だ。
聞いて驚け、血統書付きのスコティッシュフォールドだ!!
(なぜ、ニートの分際で猫が購入できたのかは後ほど彼が法外な値段で売られていた旨を後述する、ちなみに会社員時代に購入している。そして、保護猫を飼った方がいいというのもきちんと後述します。許してください。怒らないで)

違和感を感じてくれた、そこのキミ!!もう、キミと私は友達だ!!コイツは日本産の野良猫ではない。でも、キミと同じで私はこいつを日本産の野良猫だとめっちゃ思った。

うちに来て一年程だが、未だに血統書は嘘なんじゃないかなと毎日思っている。雑種のトラ猫をペットショップの人が虫網とがで捕まえて、並べたんだと本気で思う。

それでは、なんでYouTubeのアイドルになれそうにないか、それを順を追って説明しよう。


【第二章】こいつとの出会い、2.7万の血統書付き猫

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これは、家に来てまもなくの七瀬くんである。

あの日は雨が降っていた。梅雨入りで気分が鬱々としていた。

当時、私は椅子を引くと隣の人と肘がぶつかる激狭いオフィスで働いていた。社長以外の従業員が全員中国語圏の人で、窓もない狭いオフィスで中国語を一日八時間、聞いていた。

多分、気が滅入っていたんだと思う。私は、終業後おもむろにペットショップの場所をググった。言葉を話さない獣を見て癒されたかったのだ(中国語に対して、なにか偏見があるわけでは決してない。ただ、オフィスが狭すぎた。日本語で仕事をしている中、ひたすら自分が理解できない言語を聞いているのが辛かった、英語は聞き取れるので、英語だったら違かったのかな)。

ヒールの高い靴で、会社から結構な距離を歩いて数件のペットショップを見て回った。仔犬や仔猫を見ていくうちに、心が安らかになっていった。

最後に入ったペットショップは広くて、かわいい仔犬や仔猫たちが並んでいて。糞尿の臭いすら、私にとってはシャネルの5番だった(ちなみに、香水には糞尿の臭いを少し混ぜてあるものが少なくないらしいですよ、人間不思議なものでいい匂いの中に糞尿の香りが少し混じっていると魅かれるらしいです)。

さて、明日も仕事だし、この辺りで帰ろうかなと店を出かけた時、そいつはいた。

完全に雑種のトラ猫で、周りの猫と比較するとアホ程そいつはデカかった。バカデカかった。大きい立派な猫だ。

「この子、なんですか」
 私は聞いた。店員さんは答えた。
「スコティッシュフォールドの男の子ですよ、立ち耳ですが」
 そんなのは、分かってるわ、とマジで思った。猫種と性別、そして値段が記載されている。そんなもんは読める。
「すごく、安いですね。なんででしょう」
 他の猫は40万円、平均の中ぶっちぎって安かった。この子の価格は5万円だった。
「大きくなってしまって、もうほとんど大人みたいな見た目になってしまったからですね」
 そんな話を私はどこかで聞いたことはあった。スタッフさんは続けた。
「もうそろそろ、難しくて、お店からはいなくなっちゃうかもなんですよね」
 マジか、と思った。大きくなったのは健康に成長している証拠なのに。
「抱っこしてもいいですか」
 ペットショップで初めて、猫を抱っこした。めちゃくちゃ、ふてぶてしかった。可愛げがなかった。ウンともスンともいわずに。みゃーと鳴き声も上げず。もがいて見せたり、顔を前足で擦ったりもなく。
「他の猫ちゃんも抱っこしてみていいですか」
 確かめてみたくなって、ほかの生まれたてのプルプルしているザ・キティ達も抱っこしてみた。
「この子なんか、すごく人気で~」
 他のか弱い子たちは、手のひらに収まってうごうごしていた。高い声で鳴き声をあげて。守ってあげなきゃ、みたいな母性を掻き立てる可愛さみたいのがすごかった。
「もう一回、あの子いいですか」
 茶色いデカいトラ猫からは、器のデカさ以外を感じなかった。手のひらに収まるわけがなかった。膝の上に載せないと抱けない。そして、長い時間抱かれたくないらしく、無言で凄い脚力で私の腕を蹴飛ばして店の床で寝転んでいた。なんか、凄い寝ていた。寝息がすごかった。
「今、ペットショップのオンラインで他店の子を取り寄せらせるんですよ。それで、この子の小っちゃいころの写真を見て取り寄せたいっていうお客様がいらっしゃって、京都から輸送されて来たんです。そのうちに大きくなっちゃって。実際抱っこまでしたんですけど、写真よりだいぶ大きくなっちゃったから」
 マジか。家に帰ってから、生来の不眠症とは別に、眠れないものがあった。スマホでなんども売れ残ったペットの行く末を検索した。預金通帳を確認した。

 その二日後、猫の飼育環境をめちゃくちゃ整えて、大家に許可をとり、ペットショップで契約をした。分割払いにしたら、半額セールの対象になった。七瀬くんはこうして、私の家に来た。

※著者は、子どもの頃、獣医さんになりたかった元飼育委員です。猫は素人ですが、動物には明るめで、周りの猫飼いさんのアドバイスをもとに飼育を決めました



【第三章】デカくて、そろそろ病院まで背負って歩いていけなくなりそうなんだけれど、医者にはまだまだデカくなると宣告された

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↑ 家に来たばかりの3.1キロの七瀬くん
↓ 6.4キロになった、現在の七瀬くん

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皆さんにお伝えしておきたいが、これは太っているわけでは決してない。医者に何回も確認した。私が一番、コイツ重い、と思っているからだ。骨格がめちゃくちゃしっかりしてて、成長をしているのであって、決して太っていませんと宣告されました。

スコティッシュフォールドは分類としては、小型種になるらしい。ただ、大きくなることも稀にあるそうだ。稀にね。稀にだよ?

まだまだ、大きくなるそうです。本棚に登ろうとしている時とか、猫のサイズじゃなくて、そのうち、私より大きくなって、とって食われるんじゃないかと危機感を感じることがあります。

【第四章】たぶん、野良猫になってもコイツは生きていけるような気がする

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猫は嘔吐しやすい生き物である。
咳やくしゃみの方が珍しく、緊急性が高いくらいに。人間より嘔吐しやすい。

ただ、この猫は、一般の猫ではないので、胃腸が以上に強靭である。なんなら飼い主である著書の方が不健康でよくお腹が痛いくらいだ。

こやつは、強靭な身体の強さで、体調が悪くなったことがほとんどない。吐いたこともほぼない。

そして、家で飼いならされた猫は、どんどん甘ったれていくはずなのだが(Youtube調べ)、うちのはもう毎日外に逃げる隙を狙ってくる。

そして、家に来たのが6ヶ月と遅かったため、躾が間に合わなかった部分があって、噛み癖がエグイ。多分、外に逃げてもしぶとく野生化することだろう。コイツの先祖とかが、日本で番張ってるのだ(もちろん、そんな無責任なことはしません。コイツが逃げないために、引っ越しの時にめっちゃ家探したんだから)


【第五章】本来の野生でカメラをきちんと避けるだけで、コイツはいいやつである

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先述した、野生味のせいで猛禽類の目を思わせるカメラは基本、警戒の対象である。写真は取れても、動画はほとんどとれない。とらせていただけない。

ニートが飼い主になった今、おっと間違えた、飼い主がニートになった今、動画出演などで己のちゅーる代を稼いだりしてくれんもんかね、とは思うものの、そんなことができないからペットショップで売れ残り、私と巡り合ったのだ。涙を流しながら、歯を食いしばりながら感謝をしようではないか。


【最終章】誰かに必要とされなかった者同士、死ぬまで一緒にいるのである

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所詮、ペットは人間のエゴだ。どんなに綺麗に語っても、人間のエゴが絡んでいる。

一緒にコイツと暮らしているのは、非常に楽しい。別に血統書が嘘かどうかはもはやどうでもいいくらいに(血統書は本物です)。

死ぬまで一緒にいるのである。これは、意地だ。本当にお金が苦しくなっても、コイツが困ることのないようにする。キミがYoutubeキャットになれないことは仕方がないことだ。キミがカメラから逃げちゃう分、私がYoutuberになってもいいさ。ちょっと、やってみたいから。私がいるところに、キミがいない方がよっぽど辛いからさ。

バイトも見つける。
なので、一緒にいてください。

※個人としては、ペットショップでの購入より保護された個体の入手を推奨しています。殺処分や事故、妊娠、痛い思いをする個体が少なくなりますように。ただ、飼育をしていくうえで、混血などは発達不全の原因になることもあるため、血統書はその個体が丈夫であるかの判断材料にもなります。はじめての飼育であるならば、飼育個体が丈夫であることは不慣れな飼い主とペット両者の幸せにつながるとも考えています。考え続けて、最善の判断ができるように努力をしたいものです。


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