見出し画像

嘘は必ずしも悪か。デートをドタキャンされた体験から考える

「嘘は良くない」という考えがさも正論かのように叫ばれている。
私自身もずっとそう思ってた。彼氏が私に嘘をついていたら一瞬で冷める。とか、彼氏が嘘をついてるんじゃないかと疑ってみたりとか。
そういえば、大体、浮気って、自分から白状してる人はあまりいないですよね。恋人に対して不信感を抱いた人がカマをかけたり、携帯をこっそりのぞいたりして「お前浮気しとるやないか〜※※〜!!〜〜”!👊」となるわけです。
人は真実が知りたくなる生き物ですね。
たとえ、1つの嘘が二人の関係性を繋いでいたとしても。


あなたは嘘をついたことがあるか?
大半がyesだろう。noという人の方が心配になる。ちょっと捻くれると、嘘はついてないけど、隠し事はした、とか、嘘は言ってないけどはっきりとは答えていない、とかもあるだろう。人間が言葉を使ってコミュニケーションをとる限り、このようなことは無限にある。

今回は、嘘はよくないと思い込んでいる我々への問題提起と真実が知りたくなる人間心理について考えてみた。

きっかけはある男性とのデートの約束である。
知り合いを通じた飲み会で、唯一初対面だった男性。それぞれが解散していく中、最後まで残ったのが我々二人。年下なのもあり彼が気を遣ってくれ、二人で飲み直すことに。彼の仕事の予定がまだ不確定ということだったが、次の食事の日程を決め、解散した。
ところがその約束の日の前日。仕事の出張が入り、帰るのが遅くなりそうだから延期してほしい、という旨の連絡がきた。

言いたいことなら色々ある。
出張なんてもっと前から分かってただろ、とか延期なら別日提案しろよ、とか、本当に出張なのか?とかである。
この、本当に出張なのか?と疑い、彼のインスタを覗こうとしてる自分に気づいた時、ハッと我に返った。
本当は出張じゃなかったらどうなんだろう。本当は仕事が休みだったら?本当は友達との予定が入ってたら?
真実はどうであれ、彼が私とデートに行かない現実は変わらないのだ。
それなら、当たり障りないように仕事だとデートを断ってくれたこと、誠実に断りの連絡を入れてくれたことに感謝すべきだろう。


ここで思い出した言葉がある。

人は守りたいものに嘘をつくの。

『スイートリトルライズ』/江國香織

作中で不倫をしている女性が、不倫相手の男性に放った一言である。
無論、この女性は不倫相手の男性には隠し事をせず、旦那には隠し事をしている。


人は不安を感じた時に真実を知って心を落ち着かせようとすることがある。しかし本当のことを知ったらどうだ。新たな不安や心配が拭えない。一生かけて真実を追った先には何もないのだ。嘘をつくことは、関係性を守るためのひとつの手段かもしれない。

(※ 嘘をつくことを肯定するような文ですが、絶対にバレない、墓場まで持っていく、という覚悟で嘘をついてください!中途半端な態度はバレるしむかつきます。)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?