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コミュ力入門④〜学校では教えてくれないな〜

前回までで上の図だと④まで話したな。
そしたら次は⑤相手のミットからみた自分というテーマで今日は話そうと思う。

基本的に自分の思っていることを相手に伝える努力は①〜④で事足りる事が多い。でもこの⑤はかなり応用編でありながら超重要な事なんだな。
僕の友達に話はうまいけど、相手の反応に酔ってる人がいてね。そうなっちゃいけないんだな。
⑤ってのは

一言で言えば、相手から自分がどう映っているかの正しい認識

と言えるね。それを怠った失敗例として3種類ある。

①拒否
②盲信
③虚偽の肯定

この三つだな。これがないと相手はそもそもミットを構えてくれない。だからどんな言葉を投げても伝わることは難しい。

これだとなんのこっちゃか分からないと思うから、具体的な例をあげて説明すると。

まずは、親子間が伝わらない代表例だね。

子供がどれだけ、自分の言葉で親に伝えてもほとんど伝わらない事があるよね。これは、はっきり言ってしまえば、相手が親で、親が子供を子供扱いしかしていない時は何を言っても伝わらないって事があるということだ。
何を言っても「はいはい」というケースになってしまう。これを愚痴る人はそもそもコミュニケーションの限界を知らないんだな。”上手く言えば伝わる”のは相手が”自分”という存在に多少なりとも信頼がある時だけなんだ。自分が子供としてしか相手の目に映ってないという認識ができてないんだ。

例えば、私の場合、目が鋭くて、やや強めのオーラがあって、普通にしていれば圧が出てしまう。
この前ワイワイしているバーで会った女性2人に話しかけると、二人とも怖がっているんだな。隣にいた二人の女性の男性の友達(私とは知り合い)は女性二人の引き加減に「どうしたの?」と聞いてたんだけど、その時私は自分の圧のオーラを隠すのを忘れていたことに気づいたんだな。咄嗟に隠そうとしたけれど時すでに遅し。その日私は、ジャケットを着て勢いよく動いていたし、圧のオーラ全出しでライブするときの感じでいたからもう終わり。それ以上、何を話しかけようと何も伝わらない。こういう時は私はもう何も話さない。

おそらく自分が、もっと落ち着いた感じでカジュアル目のグレーのパーカーを着ていたら大丈夫だったと思う。

これは、自分の事が相手の目にどう映るかという⑤の重要な認識を怠ったからなんだな。そういう時は「諦める」という手も重要だ。それ以上、話しかけても相手が嫌がるし、自分の言葉ももったいない。

これは、認識の間違いとして「①拒否」として現れたケースで、一番分かりやすい。

次は、二つ目の②盲信の話をしようか。
これは、例えば私の話なんだけれど、よく大ファンだという人が私に会いにくる。それは生き方が好きだとか、音楽が好きだとか、テレビで見ただとか何だとかあるのだけれど、例えばその自称大ファンと珈琲屋で話したとしても、基本的にはそのファンは全肯定のスタイルでくるね。何を話しても、全肯定。一見これは会話として伝わっているように見えても実は何も伝わってないんだな。この場合、どんなボールを投げても相手のミットが広すぎて全部受け取っているかのような錯覚に陥るんだけど、この場合相手は何を言っても全肯定。これははっきり言って話している側は気持ち良く感じるけど、その実何も伝わってないんだな。
仕事でミスをした相手が、何を言っても「すいません」の一点張りで返してくる状況と近い。感情が率先しすぎて意味は伝わらず、ニュアンスだけで伝わった感じになっているだけなんだな。これだとまだ①拒否の方が分かりやすくていい。そもそも、こういう、立場に圧倒的な差がある時は試合にならないんだな。だから、そういう人と会うのはやめた方がいい。会ったとしても、聞き手に回るのがベストだな。戦力差がありすぎると試合が成り立たないからね。

そして③虚偽の肯定ってのがあるんだな。これは、一見理解しているように見えて理解してない部分では②の盲信と同じ何だけど、③虚偽の肯定の場合は相手が空気的にNOとか分かりませんと言えないことを無意識に感じていて、やや空気的にYESと言っている場合だな。

一番分かりやすいの上司と部下の関係で
上司が「わかったな!?」と言ったら部下は「はい!」と言うしかない雰囲気が挙げられるかな。
本当は、部下はわかってないんだけど、半ば無意識に場をやり過ごすために分かった雰囲気を出すんだな。

自分の場合、中高生に哲学を教えているし、先生たちにも教えているから余計にこのことを感じるんだな。「あー多分、いい子ちゃんだから分かった感じの雰囲気を出してるんだなー。」とか「質問はないっていうけど、本当はちゃんと考えればたくさんあるんだろうなー」とかね。

この場合、上司と部下、先生と生徒の構図はよく似ていて社会的なポジションが関係する事が多いね。
この場合、自分が上司ポジや先生ポジになった時に重要なことは、相手のバリアを溶かす事なんだな。

例えば、私が先生として生徒に教える実際の例を挙げると、まず生徒は基本緊張している。日本では先生の言うこと=正しい。私は生徒からすれば”先生”として映っていることを明確に認識する。日本では生徒は自分の思ってることをなかなか伝えてくれない。質問も無ければ、手をあげること、私を批判する事もしてくれない。

大体こういう、自分が先生のポジになる場合、私は生徒とのバリアを溶かすために舐められることをあえてする。

これはかなり高度な技術で、あえて舐められるんだ。具体的に言えば、テンション高めに「変な喋り方をしたり」、「自虐ネタを盛り込んだり」することで、「あっこの人、突っ込んだり、いじったりしていいんだ」と思ってもらえることで、この③虚偽の肯定を打開しにかかる。人は穴のある人の方が緊張しにくいからね。ただここも、舐められる部分があってもそれを上回る技術がある自信があるからあえて舐められる部分を撒き餌のようにばら撒けるんだ。このバランス感覚はまず、相手を見て、自分がその相手にどのように見えているかを推測することから始まり、①〜④を繰り返す経験を積めば分かるようになる。ミスるとただ舐められて終わりになる。宿題をやって来なくなる、遅刻する、私語が増えるなど分かりやすく結果で出てくるね。

自分が所詮ただの先生としてしか相手に映ってない時にどんなことを言ってもほとんどの場合、分かったふりだけされて終わりなんだな。だから、本当に伝えたいならまず、相手にミットをちゃんと構えてもらう必要がある。それを起こさせるのが相手が自分に対する舐めであり、これはポジティブに言えば甘えなんだな。

まとめると、相手から自分がどう映っているか。これをベースに①〜④を考えないといけない。
これは応用編だから難しいけど、まず、相手が拒否反応を示している時は諦める。これは大事な勇気だ。
そして、リスペクトされすぎている時はそもそも試合にならないから会話はまだ早い。
最後に、相手に本音を語らせたいなら、こっちが相手のところまで下がる必要がある。下げ方は私の場合は、舐められる事や甘えられるようにすることだけど、これは人によって違う、ただ自分と同じダメなところやポンコツなところもあるんだなーと思ってもらえると対等に話しやすいよね。

⑤結論*相手を理解するには、自分を理解する必要がある。

っとまぁ、ざっくりと①〜⑤まで書いたんだけど、あとは実践の中でこの①〜⑤を繰り返せば次第に良くなっていくよ。これは筋肉と同じだから。
ただ重要なことは、伝える努力と同時に「待て」と「諦め」をちゃんとすること。相手がミットを構えてない場合は何を言っても難しい。そう言うケースもある事を知っていた方がいい。

最後に一番大切なことは結局

相手に伝えたい。分かってもらいたい。という気持ちと愛情。

だから、それがある人はどんどん上手くなるからね。安心してね。ゆっくりと時間をかけて、いろんな人と話せるように勇気を持っていろんな人と会おう。全部がバトルだし、全部が経験値で返ってくる。ドラクエと同じだね。知らない人とも話そう。

それではまた来週。


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