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お店の居心地のよさは一日にしてならず。

ここ数か月、月に一度顔を出している定食屋さんがあります。60代ぐらいの女性おひとりで切り盛りされているお店。そこに行くと、だいたい常連さんが奥のカウンターにいます。常連さんといっても、いつも同じ人がいるわけではありません。

なぜ常連さんとわかるかというと、店主との会話が「保険」のことだったり「後で野菜をもらいにいくねー」など、普通のお客さんとの会話を超えたものであること。また、常連さんがおしぼりを出してくれたり、他の客の食べ終わった食器を片付けたりしていることからもわかります。

だいたい常連さんは、わたしたちのような普通の客が来てしばらくすると、おいとまします。ずっと店主と話すようなことはしないのです。

店主と常連さんが、ずっと話している場所は、あまり居心地がよくありません。なんとなく、疎外感があります。かと言って、会話の中に巻き込んでこられても困ります。

そこのお店は、常連さんと普通のお客さんの線引きがありながらもお互いに居心地よくいれる場所です。すごくいい。

長芋の梅和えとポテトサラダ


その空間をつくりだせるのは、やはり店主の力なのでしょうか。


なんとなく、それだけではない気がします。店主も常連さんも、長年その場所に居続け、自然と身につけた「ふるまい」なんだろうなぁと思います。


まさか身につけようと思って、本を読んで身についたものじゃありません。ずっとそこに居て、なんとなく今の形になっているんだと思います。


居心地のよさは、相手が「つい」感じてしまうもの。押しつけの居心地のよさは、いらない。だからと言って何も工夫をしないわけじゃない。


わたしたちは淡々と手を動かしここに居続けることで、なんとなく(けれども相手にははっきりと伝わる)居心地の良さを、だんだんと提供できるようになるのかもしれません。そうだといいなぁ。



おしまい。

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