残すもの 残ったもの

歴史が好きで、大学では日本史を専攻した
それまでは歴史は自分の創作の手がかり探しだったり、単なる読み物だった
だから歴史を勉強とはどういうこと??というのもあった

それまで自分の頭で考えず、意見ものべず、自分の論で納得させようとも思ってこなかった人間なので、卒論は大変だった

ゼミの先生はひねくれた感じのちょっと厳しい人だったが、この先生のゼミに入ってよかったなと思った
卒業してからも飲み会にちょこちょこいったりしていた

授業をうけたり、ゼミ発表などで史料を見るが、こういったものは残そうとしなければ残らないんだなと思った

その後図書館の資料室で事務をしていた時も思った
予算 場所 知識のある人 残そうとする努力がないと、資料はいとも簡単になくなる

残そうとした時点で何らかの意図がある
読んでるものは全部 嘘かもしれない
参考にしている説は覆るかもしれない

ただこれが残ったということだけが事実だ

あいまいな記憶なのだが、興福寺の五重塔が廃仏毀釈のときに燃やされそうになって、
火事がやばいからやめてという近隣の住民の声でやめたみたいな話があった気がする
どういったテンションでの会話かは想像するしかないが、なんかのどかだなと思った
その時は残そうという気持ちがそこまでない決定だったのに、今ではばっちり残っている

自分はすぐなんでもすててしまう
思い出とかいらない

でも残そうとする恩恵にはたくさん預かってきた
自分のものはいらない
でもいつかの誰かのために今ある何か残す事は素晴らしいのかもしれないと
身内の汚い棚を見ながら思う

ガチャガチャ回しに行きたいです