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エレガントな日常/セレブ気分を叶える。魚を焼く。


飲み屋さんや飲食店が立ち並ぶ細い路地。

私ならたとえこの道が近道だとしても歩くことは避けると思います。

決して美しいとは言い難い薄暗い小道に異質な世界観のお店が突如として現れてきます。

どーん!

『ツッカベッカライ カヤヌマ』
(外観の撮影は許可を得ました)


私の小さな夢がまた叶いました。

「セレブのおもたせごっこ」

「ここのクッキー詰め合わせを大切な人へ贈る(ドヤ顔で)」

「あわよくばそれに便乗して自分の分も買う」


あーん。

とうとう達成して嬉しいです。


生まれて初めてホワイトデーの贈り物をします。

バレンタインデーに友人から、私が食べたかった豪華なチョコレートをいただきました。

『アランデュカス』のチョコ

(友人はお返しはきっと望んでいないだろうし、もしお返ししようもんならまた何かをご馳走してくるかもしれない...)

私の中で駆け引きが始まり、あーだこーだ、お返しする、しない、とペチャクチャ1人葛藤が続きました。

でもね。

やっぱり経験してみたいの。

ホワイトデーにセレブな贈り物をする自分に酔いたいのよ。

(んでもって私もそのクッキーを食べることもね)

だって私はミーハー。

田舎者代表としてこの都会に住みつき

「ベテラン田舎者」

として着々とキャリアを積んでいるのです。

過去に1度このお店へトライしたことがありました。

クッキーの値段も分からず、ただただ美味しいクッキー屋があると聞いたからです。

その時はお店に入り値段に驚愕し、しかもクッキーの詰め合わせは予約をしないと買えない人気商品ということを知りました。

その他にもチョコレートやケーキなどが売っていましたが現金販売。

(カードは使えません)

いろいろ撃沈してションボリ帰って来た思い出があります。

お客様の層に気品があるのが印象的でした。

平日はスーツを着たサラリーマンが買いに来られるのですが、その姿が明らかに

「お育ちがよろしい」

雰囲気が漂っています。

いわゆる成金ではなく

「オジちゃま(親戚への呼び方)ここのクッキーがお好きだから買って行こう」

「取引先の社長の奥さまに手土産を持っていこう」

という勝手な私の妄想が膨らんでしまうような品(しかも極上の品)なのでした。

時は過ぎてリベンジです。

昨日いそいそと出かけて、予約をして本日受け取りに行ってきました。

ホワイトデーに配送を希望していたのですが配送は月末になるとのこと、

詰め合わせも1番小さな缶なら翌日お渡しできる、とのことでした。

(大きなサイズの予約はずっと先だそう)

さらに、今日は行列になるかもしれませんと言われ、

(わぁー。そっか。私は1年で1番忙しい時に来ちゃったんだ)

と気がつきました。

幸い持ち帰りなら翌日受け取れるし、友人には自分で送ればいい。

1番小さな缶なら私の心臓にも優しいのでちょっと安心しました。

あ、心臓には優しいけれどお財布には手厳しいですよ。

行列は勘弁なので閉店近い時間を狙ってレッツゴー。

あぁ。名前絶対覚えられない。
(読みづらいフォント...)
詰め合わせ¥4,000×2缶+リボン¥380

店内には有名人ご夫妻からのお花が飾られていました。

(そっかー。あの人たちも来るのね)

小さな缶ですが自分の分も含めて2
個の重さがズシンと肩にのしかかりました。

今日のものすごい強風は容赦なく黒タイツ熟女のスカート裾をめくります。

黒タイツ丸出しにて通報されることよりもクッキー死守!

(だって2つで9千円もしたんだもの)

エコバッグを肩に下げて力の限り握りしめて歩きました。

どこまでも金額に卑しい私なのでした。

家計簿/この野菜しか食べてない


スーパーに寄って帰りました。

袋詰め台へ向かうと、他のお客様の忘れ物がポツンと残っています。

その紙袋に見覚えが、、、


『ツッカベッカライ カヤヌマ』

の紙袋!

(ぎゃーっ!私のじゃないよね?キョロキョロ。ホッ。肩にかけてある)

中には品物が入っています。

(こ、、、こりゃ大変!!)

咄嗟に紙袋を持って店員さんへ

「どなたかのお忘れ物です。
これはとーーっても高価な物なのでお客様が取りに来られたらお渡ししてください」

やっぱり私は金額に執着があるようですね。

高価なモノなんて情報を伝える必要なんてないのにね。

(でも気になる〜。ちゃんと取りに来たかしら。明らかにホワイトデーのお返しが何個か入ってた、、、)

包み紙を開けるとバターのいい香り
バニラクッキー、チョコクッキー、
ラズベリージャム入りシナモンクッキー

なに。この香り、、、

バターということは分かるけど表現ができません。

ただただシンプルで高貴な香りです。

もう耐えられない。

見ちゃったら最後。

つまみ食いじゃー。


あぁ、自分の分も買ってよかった、、、

バニラ→チョコ→シナモン

と一個づつ味見しましたが、どれも口に入れてから思わず目を閉じてしまいました。

(お紅茶いただきたいわ。ホラ、あのなんだっけ、ラプさんスーチョンみたいな名前のやつ、、、)

シャンデリアと陶器で出来た原寸大の豹の置物が置いてあるリビング。

弦楽四重奏が流れる空間にて執事に語りかけたくなるような味でした。

ハッ!(目を開ける)

いかんいかん。このまま一缶食べてしまいそう。

パタンっと蓋を閉めて強制終了。

私の視界から消すためにいそいそと下駄箱の上に置きました。

(チョコレートの時もまったく同じ行動)

下駄箱まで持っていく途中にふと、

あ、この缶、文房具入れとして使えそう。

とワクワクしました。

この発想、まったく庶民よね。

新発見。おにぎりとオリーブ合う!
埋めこんでみたら具として成立。

さて。

本日のメインイベントはクッキーの他にもう一つ。

「初めて魚の粕漬けを焼く」

です。

昨日に引き続きドキドキです。

ドキドキ理由は一つ。

手に魚の臭いをつけたくないというもの。

頭の中で焼く手順をシュミレーションします。

よし。準備開始。

使い捨て手袋必須。
一晩寝かせた粕漬けは袋3枚重ね。厳重よ。
フライパンで焼くのは短時間にしたいので
アイラップに入れて最初に火を通しておく
フライパンでジュワッ。
あ、ヤバい。はねる、、、
完成〜!
手前のスペアリブみたいなほうが美味しい


感動です。

美味しさに感動ではなく、1人でやり遂げた達成感にです。

写真で見るとあっという間ですが、この間はもう大騒ぎ。

ぎゃ。あっちについちゃった。

わぁーひんやりぐんにゃりして気持ち悪ーい。

この箸あとで洗わなくちゃ。。。


もうね、手袋したってムリ。

どんなに慎重にしても袋から出したり粕を取ったり、あっちに入れたり、こっちへ移動させたり、、、

くっつかないワケがないじゃーん。

(そんなことも想定出来なかった私のシュミレーション力)

やっとの思いでフライパンで焼き切って食べた瞬間は感激しました。

が、次第にもぐもぐとしながら我にかえります。

(ここまでして食べたいものではなかったなぁ。あ、待てよ。お刺身で粕漬けを作ればもっと楽かも??)

刺身案にナイス!

と自画自賛したもののそもそも自分が魚が好きなのかよく分からなくなってきました。

なんたって生まれた時から肉よりも魚を多く食べてきましたから、一生分は摂取し終えています。

でも。

「酒粕と味噌で漬けて焼く」

ということにとても時空のロマンを感じているので生魚以外に何かないものだろうかと思案中です。

(『西願広望』様。ただのチャレンジャーで終わってしまいました。ですがお知恵をありがとうございました!)

それにしても魚や肉を調理する方々はどのタイミングにて手を洗ったり拭いたり(その拭いたものはどうなるのか)しておられるのか不思議でたまりません。

そんな珍道中でも、床に新聞紙を敷いた状態にてフライパンで焼いたことは正解でした。

案の定新聞紙にはものすごくハネていました。

もちろんその後は(狂ったように)ラベンダー精油入りお水で床を入念な雑巾掛け、

ビッチビチに魚臭酒粕で汚れたガス台はアルコールで拭いて、

ガス台周りのタイルの壁もアルコールで拭き上げるというエクササイズをしました。

(私こんなに神経質だったっけ??)

あー。生野菜安心する、、、
(お皿も魚臭を取るため3度洗い)


初体験は楽しいですね。

それが今後も継続するのか一発屋で終わるのか。

そこから興味を引くエッセンスだけを受け取ってさらに発展させる楽しみも生まれます。

一連の作業を昨日から2日間に渡ってアレコレ悩んだりしていることにふと幸せを感じました。

「私の悩み

ちっちゃくて

でも

大きくって

どうでもよいことだけど

とっても大切なこと。

こんな悩みが私の中を占めている今の暮らしって本当にありがたい」

私は今日もエレガント。

お紅茶淹れてくださる?
ラプサンスーチョンがいいわ。
(名前合ってた。ホッ)

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