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「後を継ぐなら地獄を見ろ」ある養豚農家のひとこと

大学時代、農業系のサークルに所属していたこともあり、GWと夏休みは3年間、合宿という形で大学のOBが住んでいる県に行き、地域の公民館や農家の方家で宿泊しながら実習をおこなっていた。

その実習の最中、ある養豚農家に言われた一言である。

「後を継ぐなら地獄を見ろ」

文面だけではもはや脅し文句ような言葉だが、そこには農家の方の想いが詰まっていた。

それは、その農家の方(Aさん)も感じていた後継ぎである息子・娘たちの仕事への取り組み方や考え方だ。Aさんが一から始めた養豚業。ノウハウもなく、試行錯誤の繰り返し多額の借金をしながらもなんとか築いてきた養豚業。初期投資が多くかかる畜産業はリスクもかなり大きい。(畜産業ではなく起業全般そうだと思いますが)その苦労を知らない息子・娘の経営に対する危機感や考え方が全く違うし、大切なことの一つであるその部分をすぐ実家に戻り、同じようなことを繰り返すだけだと身につかないと話してくれた。

だから他の農家や会社に入りいろんな経験をするほうが、今後後継ぎとして経営するならプラスになることがたくさんあると思うから外にでて修行しなさいとアドバイスをくれた。

大学時代のあの頃、「よし、苦労は買ってでもしたほうがいいんだな」と表面だけ理解していたけど、社会人になって改めてその言葉の本当の意味が分かってきた。事業を続けていく中で隣合わせであるリスクに耐える精神力、常に未来を見据えたチャレンジ精神、やばいときにどう解決するかなど少しずつ経験することで見えてきた。

今の自分を奮い立たせる意味とあのときの言葉に感謝をこめて、noteに文章として忘れないように残しておこうと思う。


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