吹奏楽のカメラワークを深掘り
素晴らしい演奏に心動かされ、頑張ったよ僕は…。
文化祭をライブ配信する話の一部を詳しくしたnoteです。ここではカメラワークについてと本番までの流れを実際の動画とともに解説します。
また、全て高校生の独学ですのでお手柔らかに…。
楽譜を貰う
楽譜が全く読めないなら意味ないかもしれませんが。
聞きながらなんとなく目で追うぐらいできるならぜひ貰ってください。パート譜ではなく全パート載ったものが良いです。カメラワークの計画を練るのに非常に役立ちます。
先生の要望を聞く
ここはこの人を映してほしい等、聞けば絶対あります。我が子のように長時間ともに練習してきた先生の思い、なるべく取り入れたいものです。
余裕があれば生徒の意見も聞くと良いですね。この曲の中でいちばん好きな・頑張る・見てもらいたいところはどこ?みたいな軽く聞くだけでも違うと思います。
定期演奏会を地元ケーブルテレビ局が放送することって割とあるのですが、部員からしてみれば「今映すべきはそこじゃない!」とよく思うそうです。今回私は紙面で部員にアンケートを実施しました。裏打ちばかりのホルンがここではメロディなんです、ユーフォのここの裏メロが素敵なんです、などなど大量に集まりました。
リハーサルを撮る
カメラワークは不要です。あくまでも資料として。全員映るぐらい広めに固定して撮ります。リハなので途中で止まることがあるでしょうが、編集でテキトーに繋げましょう。自分用なので雑でいいのです。
楽譜に書き込む
リハの映像を流しながらどこを撮るのかざっくり決めて楽譜に書きます。目立つ楽器だけでなく、全楽器映るように配慮します。また、演奏以外の演出にも気を遣いましょう。全員がリズムに乗って左右に揺れたり、照明を明滅させたり。ホールの照明演出はホールのスタッフにお任せすることもありますが、部員が考えて指定することもあります。以下の例では、黄色いポンポンを振ることを考慮してソロへのズームインを遅らせています。
進行表を作る
ここが最も大変です。楽譜の書き込みを元に本番自分が見やすいように書いていきます。忙しい中チラ見してもわかるようなレイアウト。大きめに書いて、端に通し番号を入れておきましょう。それと同時に無理なカメラワークを解消していきます。後で説明します。
綿密に計画する場合、小節数を書いておくとわかりやすいです。
今何小節目か数えて進行表見てカメラワークを完璧にこなすのは、かなり練習しないとできません。音楽経験者の補佐をつけると良いでしょう。
リズムに乗ったカメラワークは、見る人を自然と惹きつけます。1拍目に動作を開始停止すれば基本上手くいきます。以下の例は、正直言うと下手です。参考程度に。ズームリモコンの遅延など逆算して操作するのが非常に難しい…。もっと良い機材買いたい………
リズムに拘りすぎずとも、見ていて気持ちよければいいんです。神カメラワークとして有名なFNS歌謡祭を見ると、拍にハメることを基本に作られているのがわかります。韓国の歌番組「人気歌謡」なんか、カメラさんもいっしょに踊ってるのかと思うほどノッてます。
曲調に合わせることも大切です。ゆったりとした曲に素早いカメラワークは合いません。
曲の終わりは全体の引きで締めるといいかんじです。
こちらは実際の進行表。宝島はもう暗記するほど聴いているので雑に書いています笑
ライブ配信におけるカメラワーク
親記事・文化祭をライブ配信する話に関連して。
ズームイン・ゆっくり・滑らか
①ズームイン
特にzoomでは画質が落ちるので、見せたいところはズームイン。とは言っても、メリハリをつけましょう。全体の引きの画も大切。迷ったら引きの固定が絶対安全。ズームしすぎは見ていて疲れます。
②ゆっくり
フレームレートが落ちてカクカクすることを考えると、全体を見せるために行うパン等は遅いほうが良いです。低フレームレートで速いカメラワークというのはつまり、手ブレ写真を連続で見せられているようなものです。短時間なら編集におけるカットのような役割になるので問題ありませんが、狙ったところにビシッと止める技術はなかなか高度なものです。
以下は非常に素早いカメラワークが編集におけるカットのような役割となる例です。事前打ち合わせ無しに撮った結果こうなってしまった、という背景があります。おすすめはしません。
③滑らか
ガタガタのカメラワークは見ているだけでイライラします(個人的な話かもしれませんが…)。ぬるっと開始して一定速度で動いてピタッと止まるようなカメラワークを。
無理なカメラワークを解消 とは、特に①②を意識して進行表を組み直すことです。最小限の動きで見せたいものを見せるように、ゆっくり一筆書きをするようなカメラワークに。
カメラ2台をスイッチングしながら配信するなら一筆書きじゃなくてもいいんですが。
そして、カメラの性能と相談することも必要です。ビデオカメラなど電動でズームするものはズームスピードに限界があります。この1拍でトランペットにズームイン!とか思っていても実際やってみるとマックススピードでも追い付かなかったり。
一眼レフで撮る場合はズーム操作中の映像は使えないと思ったほうが良いです。滑らかに操作するのが難しい上、ピントが合いにくい。また30分制限の有無も確認して曲の途中に収録停止しないようにしましょう。
進行表最終チェック
リハの映像を見ながら確認。休憩中のパートばかり映る部分が発生していないか、ここのソロパートは指揮者が被るから避けてもらうように言う必要がある、などチェック。
本番
あとはもう、入念な準備に従って動くだけです。進行表を追えなくなってしまったら、とりあえず全体の引きの画にしましょう。慌てて荒ぶるよりも、「え、初めからここは引きで固定の予定でしたけど??」の心構えで。
後日
大抵のカメラはHDMI出力しながら(←文化祭ライブ配信のために。)録画ができます。その録画データを配信アーカイブとしてYouTubeに限定公開すると、非常に喜ばれました。本番からおよそ1ヶ月経った現在で全校生徒数の半分ほどの再生回数となっています。そして今でも週あたり10再生ほどされています。
肖像権等プライバシーの問題には気をつけた上で、ぜひアーカイブ配信すると良いでしょう。
反省
右端少し離れたところに1人いるベース・コントラバスが画面に入っていないことが多々ありました。本当に…申し訳ない…。
カメラワークがどうこう語ってきましたが、実際は満足いく映像となりませんでした。多少は経験もあり自信があったのですが、非常に難しいです。詳しい話は文化祭をライブ配信する話にて。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!独学が故に至らない点も多くあったはずですが、そのぶん他には無い独自の視点で解説できたことと思います。この経験が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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