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Analog RytmのDual VCOの解説

Elektron Analog Rytmのキック、スネア、クラップマシーンなどのトラック1から4で使用できるDual VCOについて、マニュアルより少し踏み込んだ解説をします。

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1.基本的な解説(公式のマニュアルと同じ内容)

TUN- オシレーター1のチューニングの設定。1オクターブの単位は24(-64 ~ +63)です。なので、半音の単位は2です。

DET- オシレーター1のチューニングに追従したオシレーター2のチューニングの設定。1オクターブの単位は48(-64 ~ +63)です。なので、半音の単位は4です。例えば、オシレータ1から5度上の音を足したい場合は、28に設定する。

DEC- オシレーター1のディケイタイムの設定。パラメーターを最大にすると、無限になります。
DEC- オシレーター2のディケイタイムの設定。パラメーターを最大にすると、無限になります。

CFG- オシレーターの構成です。二つのオシレーターの波形と波形の相互作用を選択できます。波形の下に、' _ 'がある場合トリガーごとにオシレーターがリセットされます。

BND- ベンドはディケイタイムが固定されたピッチエンベロープの深さの設定です。1オクターブの単位は24です。

BAL- バランスは二つのオシレーターの音量の設定です。真ん中の0に設定している場合は、2つのオシレーターの音量が最大となります。マイナス方向に最大にすると、オシレーター1のみとなり、プラス方向に最大にするとオシレーター2のみの音となります。

LEV- レベルはDual VCO全体の音量を設定。

2. CFG(オシレーターの構成)の解説

CFGは、ミックスモードリングモジュレーションモードFMモードFM+リングモジュレーションモードがあります。FMモードとFM+リングモジュレーションモードでは、オシレーター2のディケイバランスの役割が変わります。

'+' - ミックスモード

ミックスモードは、単純に2つのオシレーターの音をミックスしたモード。普通の減算方式のシンセサウンドを鳴らしたい時におすすめ。

'R' - リングモジュレーションモード

リングモジュレーションモードは、オシレーター2でオシレーター1の振幅を変調します。DETのパラメーターを高めに設定すると金属音のようなサウンドを作成できます。

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BALのパラメーターをマイナス方向に最大にした場合、リングモジュレートされたオシレーター1の音のみとなり、プラス方向に最大にした場合、モジュレーターであるオシレーター2の音のみ(つまり変調なしの音)になります。

'F' - FMモード

FMモードは, オシレーター2でオシレーター1の周波数を変調します。FMモードの場合、オシレーター2は完全にモジュレーターの役割となります。

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オシレーター2のディケイは、モジュレーション用のディケイとなり、バランスは、周波数変調の深さを調整するパラメーターとなります。なので、バランスをマイナス方向に最大にした場合、周波数変調なしのオシレーター1の音となり、プラス方向に最大にした場合、周波数変調の深さが最大となったオシレーター1の音となります。

'FR' - FM+リングモジュレーションモード

FRモードは、オシレーター2でオシレータ1の周波数と振幅を変調します。FMモードと同じように、オシレーター2は、完全にモジュレーターの役割となります。

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オシレーター2のディケイは、モジュレーション用のディケイとなり、バランスは、周波数変調の深さを調整するパラメーターとなります。なので、バランスをマイナス方向に最大にした場合、周波数変調なしのリングモジュレートされたオシレーター1の音となり、プラス方向に最大にした場合、周波数変調の深さが最大となったリングモジュレートされたオシレーター1の音となります。

3.ベーシックなサウンドデザイン


ベース・リードサウンド
オシレーター2では、ノコギリ波を選択できるので、オシレーター2を中心とした基本的なベース・リードサウンドの例

・TUN(オシレーター1) : +14また+38(5度)
・DET(オシレーター2) : -28 (基音)
・CFG : ミックスかつオシレーター2ー(ノコギリ波)

・TUN(オシレーター1) : -24
・DET(オシレーター2) : 0 (基音)
・CFG : ミックスかつオシレーター2ー(ノコギリ波)

コードスタブサウンド(マイナーコード
第3のオシレーターとして、サンプルにシングルサイクル波形を使用します。Analog RytmのファクトリーサンプルのWAVEFORMSのフォルダからC4の波形を選択します。

DualVCO
・TUN(オシレーター1) : +24
・DET(オシレーター2) : +12
・CFG : ミックスモード
Sample
・TUN(オシレーター3) : +7
・Loop : ON


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