【林道の災害復旧工事について】令和4年度青森市議会第4回定例会予算特別委員会・木村じゅんじ質疑原稿③(最後)

 最後に、林道の災害復旧工事について質問しました。私は人口減少下だからこそ、林業・木材産業は青森市の地場産業として育てるべきと考えます。森林・林業政策は、まず市の幹部に関心を持ってもらうことからです。質問を通じて、林業政策の意義を理解してもらいたいと思っています。

(以下質疑)
 本年8月の大雨、ほんとうに大きな災害でした。被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。
 青森市でも、住居の冠水や、農地への土砂流入であるとか、道路、河川、農業それから林道と、様々な施設が被災をしました。
 昨今、豪雨災害において、流れ木の問題が多く取り沙汰されています。今回の豪雨災害でも、土砂と共に下流に流れ降った大量の流木が、人家の壁を突き破ったり、海まで流れ出したという被災状況がありました。
 こうした豪雨の際の流れ木災害を防ぐためにも、森林の適切な管理運営というのが大変重要です。そして、森林の管理というのは、その森林に行く道路、つまりは林道がなくては始まりません。林道を適切に管理し、壊れてしまったらすぐに直すというのは森林を管理運営して行く上で、非常に重要です。
 そこでお伺いします令和4年8月3日からの大雨による林道施設災害の概要と工事の予定についてお示しください。

(市側から、市が管理する林道は38路線76kmであること、令和4年8月豪雨で5路線185mが被害を受けた。現時点で復旧に向けた調査などを完了し、融雪後に施工する予定と答弁)

 ご答弁ありがとうございました。再質問いたします。今回の災害では、林道のどのような場所が被災したのか、お示しください。

(市側より、いずれも路面に表面水が流れたことにより、路肩が崩壊したものと答弁)

ご答弁ありがとうございました。それでは、その被災箇所に対する復旧工法についてお示しください。

(市側より、大雨により林道が壊れた箇所は構造物が元々はなかった場所だが、現状復旧が難しい箇所については、かご工やコンクリートブロック工、擁壁工で法尻を補強し復旧する方針と答弁)

 ご答弁ありがとうございます。現況復旧にとどまらず、補強して復旧するということは大変良いことと思います。
 以下要望です。
 林道は、普段は市民の目に余り触れないんですけれども、森林管理において大変に重要な施設です。
 今の林業は、機械を使って木を切って、道路まで引き出して、さらには大きなトラックで工場などに運んでいくという流れになっています。伐採に必要な機械を搬入したり、丸太を運ぶトラックが走る道路が、林道です。この林道が、森林の中にない、あるいは遠いと、木を伐って売ることができないし、管理もできません。 木を切ることができない場所であれば、森林を持っている方は管理をして手をかけても、しょうがないということになって、放置をしてしまうと、ほかって置いてしまうと言うことになります。放置された森林は、流れ木などの災害リスクが大きくなります。
 ですから、林道をより多く作って、森林にアクセスしやすくするというのが、森林をしっかり管理していく上で大変重要です。また、新しい林道の整備と共に、今ある林道がしっかりと使える状態にしていくのも重要なことです。
 今回の豪雨災害で、7カ所が被災したということでした。今回の豪雨は、例のない雨の量だったと思うんですけれども、それでも壊れないように、林道を改良していくことが、使いやすい林道整備にもつながります。使いやすい林道は、森林をしっかり管理して林業を盛んにし、山地災害を防ぐ意味で大変重要なことです。
 先週の金曜日のこの予算特別委員会で、柿崎委員から、森林博物館に関する質問がありました。柿崎委員がおっしゃった通り、青森市は日本最初の森林鉄道、津軽森林鉄道の起点があり、青森市の歴史には、実はしっかりと森林林業が根を張っております。
 市が管理する森林·林業に関する博物館があるところは、全国でも大変珍しいです。展示内容も、単に森林そのものに関するものだけでなく、「群思想」という青森ヒバの管理手法を詳しく展示したり、森林鉄道に使われていた車両を保存していたりとか、地域の森林·林業の歴史を伝える博物館です。青森市の奥内内真部地区は、日本で最初の国有林事業が行われた、近代林業発祥の地でもあります。
 こうした伝統もありますので、適切な森林の管理、また林業の振興をぜひ図っていただきたいと思います。そしてその第一歩として、森林管理の基盤になる林道の整備を、壊れたら直すのは当たり前として、壊れる前に直す、さらには壊れにくくする、そして使いやすくする。という考えで、今後も推進していっていただきたいと要望します。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。


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