木村

ことばが通じるってどういうことなんでしょうね。

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映画缶03 ザ・トレンチ<塹壕>

映画缶3本目 「ザ・トレンチ<塹壕>」  ひとつだけ戦争映画を挙げろといわれたら私はこれを選ぶ。  緊迫感がつのる暗く汚い塹壕。  ぎくしゃくした人間関係。  観る者は、第一次世界大戦の”悲劇”「ソンムの戦い」に至る48時間を生々しく追体験することになる。  いつ下るのか分からない突撃指令を目前に、塹壕の中でひたすら待機するイギリス兵。その視点はミニマムで個人の事情と心状だけを物語り、俯瞰的な描写はほぼない。とにかくただ何もかもが分からない。描かれるほうも観ているほうも

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      映画や本や音楽などの感想をぽちぽち書き残していくだけです。 特に知識もなく、パンフレットや評もあまり読みません。 ストーリーが分かるようにも書かないと思います。 ネタバレあります。 鑑賞後の気分をのちのち思い出すための缶詰みたいなものです。

      • 映画缶02「パリ・ルーブル美術館の秘密」

        映画缶2本目 「パリ・ルーブル美術館の秘密」 巨大なことがとにかく面白い。 そして、そこにいちゃいけないのにルーブルの中をうろうろしている気分がたまらない。 『クローディアの秘密』みたいな感じ。夜の美術館にもぐりこんだコドモの気分になってくる。 わたしの見た限りでは、すべての言葉がひとりごとや会話の断片で、全編とおしてルーブルのなかを垣間見たり漏れ聞く感覚だった。靴音が高く響くルーブルのそこここで拾われる囁きは、膨大な展示品が見る夢からこぼれてくるようだ。 絵を掛ける

        • 映画缶01「ピエロの赤い鼻」

          映画缶 1本目「ピエロの赤い鼻」 だいぶライトなレジスタント2人が、なりゆきで大それた破壊活動に手をそめるとどんなことが起こるのか。英雄じゃない人間が英雄ぶったばかりに覚悟以上の事態が追いかぶさってきてしまった、その喜劇・悲劇。 こういう事件をこんな風に柔らかに描くこともできるんだなあ。 作戦失敗して連行されてからの主人公ふたりの言動、ピントの外れぶりがいい。いかにも事態の大きさについていけない様がおかしくも悲惨で、どこまでも無事に帰るチャンスをつぶしたくなくてどんどん

        映画缶03 ザ・トレンチ<塹壕>