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【小説】クお白チ 002【第一期】

その後はひたすら灯具を付けてたんだけど、段々顔見知りの子が増えてくる。話しかけられても仕事は出来たから苦じゃなかったんだけど、食べ物を持ってくるようになってきた。飲み物なら嬉しいんだけど…
クッキーやらせんべいやらポテチやら、10時と3時の休憩を狙ってやって来る。食べると喉が乾く物ばっかり…しまいにゃ手作りクッキーとか…
「仕事終わったら食べるからそれでいい?」
「はい♪」
とか…

親方が来て車に乗ると
「どうしたんだそのお菓子?」
「女子高生にもらった」
「おまえ、もてるんだなぁ」
「口がパサパサになる物ばっかりだから、あんまり嬉しくないよ」
「あははっ」
また笑ってるし…

家に帰って、ちょっとだけ食って弟と妹にやっちゃった。手作りクッキーは中々いけてた

次の日
「クッキーどうでしたか?」
「あぁ、あれ美味かったよ」
「嬉しいです」
「おにいさーん、名前はぁー?」
「人に名前を聞く時は、まず自分が名乗ってからでしょ?」
俺はずーと上を向きっぱなし
「私はぁー○○子ぉー」「私△△美だよ♪」「私は●穂です」「私は………
おいおい何人いるんだよって下を見たら七人に取り囲まれてる
「そんなに近くに居たら危ないからもうちょっと離れて」
「はーい」×7
みたいな…
「おにいさーん。名前はぁー?」
「おにいさん♪」
「ずる---------い!」×7
「じゃ、サッちゃん」
一旦脚立降りて、机退かして脚立移動して上って
「サッちゃーんいつまでぇーここで仕事ですかぁー?」
「3階があと1/4で、1、2階終わらせて、渡り廊下終わったらいなくなるよ」
「えーーーーーー!」×7
「夏休みが終わる前に仕事終わらせなきゃダメでしょ?」
「そーかぁ…」×7
「サッちゃん、何か食べたい物ある?」
「口がパサパサにならない物」
「あっ!クッキーごめんなさい」
言ったのは手作りクッキーの子
「あぁ、あれは家で食べたから。美味かったよ」
「よかったぁ…」
「みんな部活なの?」
「テニス部でーす♪」×7
「部活やらなくていいの?」
「こっちの方が楽しいからー♪」×7
「おいおい…」
天井のすぐ側です。真夏の暑さと、俺含めて八人分の熱気と女子の良い香りと女性特有の体臭で頭はクラクラしてる。嗅ぎ分けられないんだけど、この中にひときわ良い香りの子が混ざってるのが分かる
「あっ!誰かさ、昼飯食ったあとにアイス買ってきてくれない?」
「はーーーい」×7
「ソフトクリームとかチョコのやつとかじゃなく、かき氷系ね」
「分かりました」×7
脚立の上で財布出してお金わたして
「みんなの分も買っていいから。あまったら甘くない飲み物たのむね」
「はーーーい」×7
会話は続く

昼飯食って、机並べてその上で横になってたら彼女たちが戻ってきて
「買ってきましたー」×7
俺がいつも飲んでるアク○リアスをクッキーの子が二本ぶら下げてる
「どれがいいですか?」
「あまったのでいいよ」
「えぇーそんな事ぉー言わないでよぉー」
見ると全部かき氷系どれでもよかったけど宇治金時を選んだ
「甘くないのって言ったのにー」
「あははははっ」×7
「宇治金時は好きだから…」
「サッちゃん、ちょっとついて来てよ♪」
「ん?どこ行くの?」
「いいから来てよ♪」
言ったのは俺が一番好きなタイプのショートカットにしてる一番チビ。教室を出てついて行った。校舎の裏側に、木のテーブルの周りにベンチが四角く置いてある裏庭があった。木陰になってて涼しい…
そこでアイス食べながらみんなでしゃべった。って言うか質問攻め。俺が聞けたのは、あと三人部員がいる事。おいおい全部で十人かよ…
一人おしゃべりな子がいた。その子、髪はショートカットで一番可愛かった。その次が手作りクッキーの子かな?髪はセミロング。みんな可愛かったり、美人だったり、得した気分♪この時までじっくり顔を見る暇もなかった

仕事に戻って
「ちょっとさぁ、仕事に集中したいから部活やっててよ」
「えーーーー」×7
「そんな事言うならもう話してあげないよ?」
「……わかりました」×7
「3時になったら、さっきの場所で待ち合わせでどう?」
「はーーーーーーーい♪」×7
なんでこう言ったかというと、熱気と彼女たちの香りと匂いが耐えられなかった

いくら不躾な俺でも、臭いとは言えない…

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